胃がん
胃の粘膜に細菌ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)がいると、胃がんになるリスクが高まります。特にたばこを吸っていると、そのリスクが跳ね上がることが、九州大グループによる福岡県久山町の住民の長期追跡調査でわかりました。ピロリ菌感染がなく、喫煙もしない人と比べると、胃がんリスクは11倍になるといいます。
調査では88年に健康状態や生活習慣を調べた40歳以上の男性約1千人のその後を02年まで追跡しました。全体の半数が喫煙者で、77%にピロリ菌がいました。
調査期間中に胃がんになったと確認されたのは68人で、内訳はピロリ菌感染・喫煙者が411人中37人、ピロリ菌感染・非喫煙者が412人中24人、ピロリ菌非感染・喫煙者が121人中6人、ピロリ菌非感染・非喫煙者が126人中1人でした。
塩分摂取量の多少や胃腸の潰瘍(かいよう)にかかった経験の有無、年齢など、胃がんの発症に関係しそうな要素の影響を除いて、胃がんリスクを計算すると、ピロリ菌感染者は非感染者の2.7倍。喫煙者は非喫煙者の1.8倍でした。
さらにピロリ菌感染と喫煙の有無で四つのグループに分けて検討すると、最もリスクが低い「ピロリ菌非感染で、たばこも吸わない」人と比べ、非感染の喫煙者は5.8倍、喫煙しない感染者は6.9倍。感染と喫煙が重なると11.4倍でした。ピロリ菌で胃が傷むのに加え、たばこの発がん物質にさらされる影響が大きいらしいです。
日本では40代以上の男性の7割、女性の6割ほどがピロリ菌に感染しているといわれ、年間約10万人が新たに胃がんと診断されています。除菌が有効とみられていますが、公的な医療保険が使えるのは胃潰瘍などの患者に限られています。
「除菌は胃がん予防の大きな手段だが、ピロリ菌だけが胃がんを起こすわけではない。除菌をする人にはまず禁煙が必要だ」といっています。
AED (自動体外式除細動器)
病院以外の場所で心停止して倒れた人がAED(自動体外式除細動器)で電気ショックを受けるまでの時間が8年間で半分以下になり、救命率は倍の3割になったことが京都大などの解析でわかりました。より効果を上げるには一般の人の取り組みがカギということになります。
病院外で心停止した人の救命記録をきめ細かく集めている大阪府内の98~06年のデータを分析しました。倒れた際に目撃者がいた約9千人分を検討しました。このうち、心筋が細かく震えて血液が送り出せなくなる心室細動を起こしたのは1733人です。ほぼ全員が救急救命士によりAEDで電気ショックを受けました。
心室細動では、心停止から電気ショックまでの時間が命や後遺症に大きくかかわります。その時間は98年に平均19分だったのが徐々に短くなり、06年に9分。1カ月後に生存している救命率は15%から31%に、神経障害がほぼ残らず社会復帰する率も6%から16%に上がりました。AEDを使うのが1分早ければ、社会復帰率が16%高まる計算といいます。
AEDは、03年から医師の指示がなくても救命士が、04年から一般の人も使えるようになりました。スポーツ大会などで配備され、倒れた人に使われる機会も増えました。京都大では「救急隊の努力でここまで上がったが、これ以上到着時間を縮めるのは難しい。居合わせた一般の人がもっと心肺蘇生やAED使用に取り組んでくれればさらに救命率は高まるはずだ」と話しています。
熱過ぎるお茶には注意!
熱過ぎるお茶を飲むと咽喉がんになる可能性があるとの研究結果が発表されました。
タバコやアルコール類と食道がんの関係はこれまでの研究でも報告されていましたが、今回の研究は、やけどするほど熱い飲み物も、がんなどの腫瘍と因果関係がある可能性を指摘しています。
研究では、70度を超える熱いお茶を飲むことは、65度以下に冷めたお茶を飲むのに比べ、咽喉がんになるリスクが8倍に増えるとしています。
研究グループは、イラン北部ゴレスタン州で、お茶を飲む習慣のある人を対象に調査を実施。食道がんを患っている300人と健康な571人を比較しました。この地域は世界の中でも咽喉がんの発症率が高いのですが、喫煙率やアルコール摂取量は低いということです。
調査の結果、お茶を注いでから2分以内に飲む人は、4分以上待ってから飲む人に比べ、がんになる確率が5倍高かったことも分かりました。
お茶の温度は平均56-60度が望ましいと指摘しています。
子宮頸(けい)がん
子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の次世代型ワクチンを、国立感染症研究所などが開発したそうです。
欧米などで使われているワクチンは子宮頸がんの6~7割を予防するだけですが、新ワクチンはより幅広い効果が期待できます。
子宮頸がんは国内で年間約8000人が発症し、約2500人が死亡しています。
HPVには構造が微妙に違う型が100種類ほどあり、そのうち15の型が子宮頸がんの原因になります。海外のワクチンは各型に特有のたんぱく質をもとに作っているため、2~4の型のHPVにしか効果がありませんでした。
感染研では、15の型のHPVに共通している表面たんぱく質に注目。これを利用した抗体が、少なくとも八つの型のHPVに有効なことを動物実験で確認したということです。
食道がん
食道は、のど(咽頭(いんとう))と胃の間をつなぐ長さ25センチぐらい、太さは2~3センチの管状の臓器です。背骨の前面やや左側にあって、気管、心臓、大動脈、肺などの重要な臓器に囲まれています。その食道に発生する悪性腫瘍(しゅ・よう)が、食道がんです。
日本では1年間に約1万5千人が食道がんにかかり、約1万人が死亡すると言われています。罹患(りかん)率、死亡率ともに男性の方が高く、女性の5倍以上です。50代以降、加齢とともに発生頻度が上昇し60代がピークです。
原因については詳しくわかっておりませんが、喫煙、アルコール多飲などが影響しているようです。
また、最近の研究で、ビールを1杯飲んだだけで顔が赤くなるようなアルコールへの耐性のない人は普通にお酒が飲める人と比べると、食道がんになるリスク(危険性)が8倍以上に上ることが明らかになりました。
アルコールをよく飲む方はもちろんですが、アルコールの弱い方でも定期的な検査を心がけることが大切だと思われます。
耳鼻科領域の咽頭や喉頭(こうとう)などのがんにかかられた方は、食道にもがんができやすいことがわかってきました。
多くの方は、食道がしみる感じや食物がつかえる感じなど、何らかの食道の違和感を訴えられます。
しかし、2割の方は、無症状で健康診断や人間ドックの際に内視鏡検査などで偶然に発見されます。進行した例では、体重減少やせきなどの症状が認められ、時には声がかすれたことによって、発見される場合もあります。
これは、食道のすぐ近くに声を出すための神経があり、この神経にがんが及んだために出現する症状です。
診断には、まずX線(レントゲン)検査と内視鏡検査が行われます。この二つは、がんの大きさと位置を見るのに適している検査です。内視鏡検査の際、腫瘍の一部を採ってきて顕微鏡でがん細胞の有無をチェックします(これを生検といいます)。
がんの存在が確認されるとがんの進行度の検査を行います。がんの深さ、他臓器やリンパ節への転移は、CT検査と超音波内視鏡を用いて調べます。転移診断にはPET検査が特に有効です。
食道がんの治療には大きく分けて、内視鏡治療、手術、抗がん剤治療、放射線治療の四つの治療法があります。
病気の進み具合と全身状態によって治療法が選択されますが、ある程度進行したがんでは、いくつかの治療を組み合わせて行うこともあります。
内視鏡治療は、内視鏡を用いて食道の内側からがんを切り取るという治療です。リンパ節転移のない粘膜がん(表面の浅い部分のがん)が治療可能です。内視鏡治療が可能な段階で見つかると、体の負担も少なく完全に治る可能性も高くなります。
手術は、がんが発生した食道の大部分と転移する可能性があるリンパ節を一緒にとってしまう治療です。食道がんの多くは、胸の中の食道に発生するので、切除するために胸を開く(開胸手術)必要があります。
食道の壁の中と周囲にはリンパ管や血管が豊富です。がん細胞がリンパ管や血管内に入り込み、食道以外の場所に定着しそこで増え始めることを転移といいます。
食道は首(頸(けい)部)からおなか(腹部)までの長い臓器なので、病気の部位にかかわらず、頸部、胸部、腹部のリンパ節へ広範囲に転移することが多く、この三つの領域のリンパ節を取り(リンパ節郭清)かつ食道を切除するのが標準的な手術方式です。頸部、右胸部、腹部の3カ所に傷がつきます。
食道がなくなるので、胃を頸部まで持ち上げて食道の代わりにします。手術時間は7~8時間です。操作する部位が多く、時間も長いため合併症の多い手術でしたが、最近では技術の進歩により多くの方が1カ月以内で退院できるようになってきました。
病気が進行すると、食道の周囲にある気管、大動脈、肺、心臓といった重要な臓器に病気が直接食い込んでいくことがあり(臓器浸潤)、このような場合、手術は実施できません。
抗がん剤治療は薬を用いてがん細胞を殺す治療です。食道がんでは現在のところ、根治治療として抗がん剤単独の治療はありませんが、食道以外の臓器に転移が見つかった場合や再発例では手術はできず、抗がん剤治療が行われます。
昨年、日本の研究で、手術をする前に抗がん剤治療を行った方が治療成績が良いことがわかり、手術前に併用されることが多くなりました。
放射線治療は主に身体の外からX線などの放射線をあて、がん撲滅を目指す治療です。食道がんは他の消化器のがんに比べて放射線がよく効くことが知られています。
また、放射線単独で治療するよりは、抗がん剤と併用した方が効果的であることが分かってきて、両者を併用する放射線化学療法が注目されています。この治療が効果的であれば、食道や胃の機能が残り、手術の傷がないなどの利点があります。
一方で、一度消えたがんがまた出現したり、治療後数年してから、食道周囲の臓器が放射線の影響で慢性的な炎症(肺炎や心嚢(しんのう)炎)を起こしたりすることが問題になっています。
主治医とよく相談をして治療法の選択をしてほしいです。
美と健康のコンシェルジュ
メタボ予防や乳がん検診を美容院で客にアピール――。
4月から愛知と大阪でこんな試みが始まります。
美容師に「美と健康のコンシェルジュ」になってもらい、客との会話の中で健康を守る大事さを伝えてもらうのです。名古屋大付属病院のスタッフを中心にした取り組みで、1期生のコンシェルジュ約80人が間もなく誕生、まずは16の美容院でスタートします。
女性客が多く、一定の時間を過ごす美容院。名大病院ではこの点に着目し、客に健康への関心を高めてもらう場にできないかと、1年ほど前から美容院の経営者らと連携の方法を模索してきました。美容師らとも話し合い、たどり着いたのが「コンシェルジュ」方式です。
コンシェルジュは、ホテルで宿泊客の要望に対応する係員を指します。最近では、病院やマンションに配置し、患者や住民の対応にあたる例も出ています。名大病院では06年から院内にコンシェルジュを置いています。
コンシェルジュは、全国の医師や薬剤師らでつくるNPO法人で、名大病院のスタッフも加入している「MeDICC(メディック)」が、延べ数時間の講習を受けた美容師に対して認定します。講習会では、がんの早期発見の大切さをはじめ、肌と食生活との関係や適切なダイエット方法を学びます。数字や宣伝文句に踊らされないように商品広告を見る目も養うということです。客との会話やアドバイスに生かすのが狙いです。
「美容院を訪れる客がメタボリック症候群や乳がんについて正しく知ることで、生活習慣病の予防やがんによる死亡率の低下につながる可能性がある。将来の医療費も抑えられるかも知れない」と期待しています。
「健康診断や入院した時の話など、店では健康に関する話題も多い」という講習会に参加した受講者の一人。「専門家による講習を受けることで知識が増え、会話の幅も広がる。髪の話題だけではなく、お客さんの健康の手助けができれば」と話しています。
アトピー、花粉症 の改善
亀田製菓は機能性の研究を進めている乳酸菌「K―2」に抗アレルギー効果があることを確認したそうです。
アトピー性皮膚炎や花粉症に効果のある健康食品の開発につなげる・・・ということで、今後研究成果を学会などで発表し、今秋からの製品販売を目指します。
研究は新潟大学の教授と共同で実施しました。
アトピーの症状があるボランティア13人に菌100ミリグラムを12週間毎日摂取してもらったところ、症状が改善したということです。花粉症に関しても症状悪化を抑える効果があったそうです。
早期の製品化に期待されます。
麻酔科医の不足
全国の周産期母子医療センターの約3分の2が、国の整備指針に反して「(必要と診断されてから)30分以内の帝王切開手術」に対応できない場合があることが、厚生労働省研究班の調査で分かりました。
産科医よりも麻酔科医の不足がネックになっており、厚労省が年度内に見直すセンターの指定基準に麻酔科医の定員を明記するよう求める声が出ています。
調査は昨年3月、全国の総合周産期センターと地域周産期センターに行い、130施設の回答を調べました。
国の指針では、地域センターは30分以内に帝王切開ができる人員配置、総合センターにはそれ以上の対応を求めています。しかし「いつでも対応可能」と回答したのは総合センターの47%、地域センターの28%にとどまり、48%は「昼間なら対応可能」、17%は「ほぼ不可能」と答えました。
対応が遅れる最大の理由は「手術室の確保」(43%)でしたが、人的要因のトップは「麻酔科医不足」(25%)で、「産科医不足」(17%)、「看護師不足」(14%)より多かったです。54%の施設は当直の麻酔科医がおらず、緊急の帝王切開では執刀の産科医が麻酔もかけているセンターが16%ありました。
麻酔科は産科、外科などと並び医師不足が深刻とされますが、帝王切開で通常かける麻酔の診療報酬が全身麻酔の場合より著しく低いため、特に周産期医療の現場に集まりにくいとの指摘があります。
「リスクの高い妊婦を受け入れるセンターには産科手術専属の麻酔科医の配置を義務付け、人員確保がしやすいように診療報酬を加算すべきだ」という声があります。
C型肝炎
C型肝炎患者約700人でつくる「薬害C型肝炎新潟の会」は、自身が肝炎患者であることを明記し、注意を喚起する携帯カードを作成しました。
交通事故など不測の事態で出血し、本人が意思表示できない場合を想定しています。救急隊員や医師などの感染を防ぐのが狙いです。全国の肝炎患者団体などにカードの作成を呼びかけます。
手作りのカードは名刺サイズで、身分証明書のように携帯できます。
「私はC型肝炎です。血液の取り扱いに御注意ください」と記され、患者本人が氏名や通院中の医療機関名、カルテ番号を書き込みます。
昨年6月に東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件では、被害者の中にB型肝炎ウイルスの感染者がいたため、救助を手伝った人への感染が心配されました。
「感染の可能性は低くても患者自身が二次感染を防ぐ努力をし、不安な思いをする人を減らしたい」とカードを発案したそうです。歯科治療などで出血を伴う際にも医師に提示して役立ててもらいます。
がん切除に新手法の期待
東京大学とオリンパスの共同研究グループは、体内にできたがんをほぼ確実に切除する新手法を開発し、動物実験で効果を確認したそうです。
特殊な薬剤を使ってがん細胞だけを光らせ、内視鏡などで切り取ります。1ミリメートルのがんも残さずに手術することが可能で、再発防止につながるということです。
人間への応用を目指して米国立衛生研究所(NIH)と組んで治験を進める計画です。
実用化が期待されますね。
甲状腺がん
まず、甲状腺と聞いても、胃や腸、肝臓などと違ってあまりなじみのない臓器かもしれません。
甲状腺は首の前にあり、チョウが羽をひろげたような形をしていますが、腫れたり、しこりができたりしない限り、普通は皮膚の上からはっきり触ることはありません。
しかし、甲状腺は人間にとって他の臓器と同様に大事な働きをしており、もし甲状腺がなければ、人間は大人に発育できず、大人になってからも体に変調をきたします。
甲状腺は甲状腺ホルモンを出す器官であり、甲状腺ホルモンは体の維持と代謝にとってなくてはならないものだからです。
ですから残念ながら病気で甲状腺をとった方は一生、甲状腺ホルモン薬、および場合によってはカルシウム薬を飲み続ける必要があります。
甲状腺がんは女性に多い病気のため、前は乳がん検診と一緒に甲状腺がん検診を行っていました。しかし、乳がん検診が、触診とレントゲン撮影(マンモグラフィー)による二本立てによって早期発見に貢献しているのに対し、甲状腺がん検診は触診が主体であり、その発見率が非常に低いため、最近、検診項目から外れました。
大きな甲状腺のしこりであれば、首を触れば分かります。かなり大きくなると、甲状腺の裏にある気管や食道、神経などを圧迫するので、首に違和感がでてきたり、息が苦しくなったり、食事の飲み込みが悪くなったり、声がかすれてきたりするので、受診するきっかけになります。
しかし、検診では、そういった症状がでない、まだごく小さいしこりを発見していかなければならないので、技術的に大変難しくなります。
実際、甲状腺がんで手術を受けられている方の多くは、別の検査で偶然見つかっています。乳がん検診でひっかかって、精密検査をしたときに偶然見つかったり、甲状腺の別の病気で定期的に通院していて、たまたま超音波検査で発見されたり、最近、全身のがん検診につかわれているPET(ペット)検診で見つかる方もいます。
なかには、初めにリンパ節の転移や、肺の転移、骨の転移が見つかり、その後の精密検査で甲状腺がんが見つかる方もいます。このようなことで、あまり有効な甲状腺がん検診の方法はないのかもしれません。
同様に、有効ながん検診の方法がないがんに、膵(すい)がんがあります。膵がんは、かなり大きくなって初めて症状がでますが、膵臓が体のすごく奥にあるため検診は難しいと言われています。
しかし、甲状腺がんが膵がんと大きく違う点があります。それは、膵がんがとても進行の早いがんで、生命を脅かす病気であるのに対し、甲状腺がん全体の90%を占める乳頭がんはとても進行の遅い病気です。
甲状腺がんのごく一部には、未分化がんといって、進行の早いものもあることはありますが、大部分は、ゆっくり進行するもので、大きさが5ミリ以下の甲状腺がんは治療がいらないと言われているほどです。
甲状腺がんに対する治療として、手術がまず行われます。手術は、耳鼻科医が行う病院もありますが、現時点では外科医が行うところの方が多いと思います。早期の甲状腺がんは手術でがんを取り去ることで、完治が望める、という特徴があります。
残念ながら、リンパ節にたくさん転移していたり、肺や骨などに転移していたりした場合は、甲状腺の手術をした後、放射線の治療をします。効果があるうちは、放射線の治療を繰り返し行います。甲状腺がんに有効な抗がん剤はないそうです。
甲状腺がんはどうしてできるのでしょうか。
放射線をあびるとなりやすいとか、遺伝が関係しているなどと言われています。確かに、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の後、近隣で甲状腺がんにかかる人が増えたと言われており、放射線被曝(ひ・ばく)と甲状腺がんは関係あると考えられます。
また、頻度は少ないですが、遺伝が関係しているタイプの甲状腺がんもあります。それは髄様がんとよばれている種類のうち、約40%を占めると言われており、遺伝子を調べれば分かります。
もし、そういう遺伝子を持っていて、将来、甲状腺がんが発生すると分かった場合には予防的に手術で甲状腺をとる必要があります。
しかし、多くは放射線被曝もせず、遺伝的素因もない方が甲状腺がんになっており、大部分の甲状腺がんは原因不明と言わざるを得ません。
甲状腺がんは、比較的若い方から中年の方まで広い年齢層(30~50歳)で発見され、1千人に1人の割合と言われています。しかし、甲状腺がんの死亡率は人口10万人当たり0・8人であり、全悪性腫瘍(しゅ・よう)による死亡数の0・4%と少ないことが分かっています。
つまり、甲状腺がんにかかった方100人のうち約1人しか、甲状腺がんで亡くならないということです。
言い換えれば、甲状腺がんが見つかっても、きちんと治療(手術)がなされれば、きちんと治すことができることを示しています。
前述のように、甲状腺がんの検診は難しいかもしれませんが、甲状腺というものは皮膚のすぐ下にある臓器で、大きなしこりであれば自分の手で触ることができます。
乳がんでは、今、自己検診といって自分で乳腺をチェックすることがとても浸透しつつありますが、乳腺のチェックに続き、さらに首の前(甲状腺)もチェックしてもらえれば一石二鳥と言えると思います。
野菜は◎ 果物は△
野菜を多く食べる人は、少ない人に比べ、肝がんを発症する危険性が4割低くなりますが、果物の取り過ぎは逆にリスクを高める可能性が高いことが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。
研究班は40~69歳の男女約2万人を約12年間、追跡調査しました。野菜や果物の摂取量の多寡で「多」「中」「少」の3グループに分け、肝がん発症との関連を調べました。
この期間中、約100人が肝がんになり、うち8割はB型かC型の肝炎ウイルスに感染していましたが、野菜摂取量「多」のグループは「少」に比べ、肝がんの発症率が約40%低かったそうです。一方、果物摂取量「多」のグループは「少」に比べ、発症率が45%高まっていました。
緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは肝がん予防作用が確認できましたが、果物に多いビタミンCは肝がんの危険性を高める傾向がありました。
ビタミンCには肝炎の原因となる鉄分の吸収を助ける作用もあるため、発症率が高まるらしいということです。
大豆
大豆製品をたくさん食べる女性は、あまり食べない女性に比べて肝臓がんになる危険性が3~4倍に高まることが、厚生労働省の研究班の大規模調査で分かりました。
大豆に含まれるイソフラボンは、乳がんのリスクを減らすことが知られており、研究班は「食事を通して適度に取るのがいい」としています。
研究班は93年から05年まで、6府県の男女約2万人(開始時40~69歳)の健康状態を追跡しました。うち101人(男性69人、女性32人)が肝臓がんになりました。アンケートで大豆食品をどれぐらい食べるかを尋ね、イソフラボンの2成分の摂取量と発症との関連を調べました。
その結果、摂取量とリスクの関連が明らかになったのは女性だけで、摂取量が最も多い群(1日あたり豆腐80グラム以上、納豆3分の2パック以上)が肝臓がんになるリスクは、最も少ない群(同豆腐40グラム未満、納豆3分の1パック未満)のリスクの約3・2~3・9倍でした。
研究班によると、イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンに似ているということです。エストロゲンは乳がんのリスクを高める半面、肝臓がんには予防作用があり、イソフラボンの過剰摂取がこうした作用を妨げると考えられます。
研究班は「肝臓がんの最大のリスク要因はB型、C型肝炎ウイルス。女性の場合、まず感染の有無を調べ、感染が分かれば大豆製品の取りすぎに注意してほしい。感染していなくても過度の取りすぎには注意が必要」と指摘しています。
乳がん検診の違い
日本で増加している乳がん死亡率は、欧米諸国ではかなり前から減少傾向にあります。米国や英国では、昭和60年ごろをピークに死亡率は減少に転向しています。マンモグラフィ検診が開始された少し後で、検診の効果が出始めた時期と一致します。米、英両国の受診率が7割以上に達しているのに対し、日本は約2割に留まっています。
受診率の低さばかりが注目されていますが、日本のがん検診には組織的な管理も必要だという意見もあります。大幅な死亡率の減少に成功した欧米諸国には、日本とはまったく違う「組織型検診」と呼ばれるシステムがあるといいます。
システムの柱は
(1)有効性の確立したがん検診のみ行う
(2)徹底的に精度管理されている
(3)対象者全員に通知が送られ、受けない場合には勧奨が繰り返される
の3つですが、日本は(1)も不十分なのが実情だそうです。
世界的に検診の有効性が証明されているのは乳がんと子宮がん、大腸がんの3つだけとされ、ほとんどの欧米諸国では、これらの検診に国を挙げて取り組んでいます。
有効性が実証されていない検診も含め、散漫に行って結果が出せないでいる日本に比べ、欧米諸国は死亡率を下げるという目標達成のため、合理的かつ集中的に検診を行っているのです。マンモグラフィ検診を徹底していない機関には罰則など法的な処置が取られる国があるほどだそうです。
体系的な受診勧告のシステムについては、約7割の乳がん検診受診率を誇る英国の例が分かりやすいでしょう。英国では3年に1回、各地域の「受診勧奨センター」を通じ、検診施設から対象者に乳がん検診の通知を出します。さらに「精度管理センター」が受診勧奨センターに定期的に立ち入り、精密検査が必要な対象者への再検査の要請などを調査します。満たしていない場合は指導するということです。
日本ではまだこのようなシステムはありません。意識の転換が必要ですね。
肺がん治療
肺がんは、1年間に約6万6000人の患者が亡くなり、日本人のがんで最も死亡者数が多く、治療の難しいがんの代表です。
がんが肺にとどまり、リンパ節などへの転移がない早期なら、手術で根治が期待できます。リンパ節への転移があるやや進んだがんでも手術を行う場合がありますが、再発を招きやすいです。
患者全体の4割に手術が行われ、そのうち半数では手術後にがんが再発していると見られます。こうした再発や、がんが広がった状態で見つかり手術できない場合には、抗がん剤などによる延命や症状緩和を目的とした治療が行われます。
肺がん手術では、実施件数が多い施設ほど治療成績が良いと聞きます。手術実績は、病院選びの良い指標となるでしょう。
胸を開く通常の手術法以外に、体に小さな穴を数か所開け、挿入した小型カメラの画像を見ながら手術器具を差し入れて行う胸腔鏡(きょうくうきょう)手術が普及しています。
胸腔鏡手術は、傷が小さいため手術後の痛みが少ないのが特長です。ただし開胸手術も従来に比べれば小さな傷口で行っており、入院期間や半年後の痛みに大差はないということです。
手術に代わり、がんに放射線をピンポイントで集中照射して治療効果を高める「定位放射線治療」も、一部の施設で行われています。直径5センチ以下で転移のないがんが対象で、保険で治療できます。
転移が防げる可能性も?
がん細胞が他の臓器に転移する際、全身の免疫を担う細胞の働きを自在にコントロールし、体内を移動しやすくしていることが、慶応大の研究で明らかになりました。
その際に作られるたんぱく質の働きを抑える薬剤ができれば、がん転移とがん細胞による免疫抑制の両方を防げる可能性があるということです。
研究チームは、転移能力を持つがん細胞の多くが「スネイル」というたんぱく質を作っていることに注目。詳しく調べたところ、スネイルが、転移に重要なだけでなく、全身の免疫反応を抑える細胞を増やすことが分かったそうです。
一方、スネイルの働きを抑えると、転移能力が抑えられ、がん細胞への攻撃をやめていた免疫反応もほぼ正常に戻ったということです。
すばらしい発見ですね。この「スネイル」というたんぱく質の働きを抑えるものが早く出来ることを期待したいと思います。
がん検診受診者数が減少
自治体のがん検診を受ける人が減っているそうです。昨年4月に始まった特定健診・保健指導(メタボ健診)が足を引っ張っているという声も聞かれます。
がん検診を受けた人が前年比6割減となる市町村がでるなど、がん検診の受診者が激減したところがあります。メタボ健診に力を入れた分、がん検診の啓発がおろそかになった、という見方もあります。
メタボ健診は昨年4月、高齢者医療法で自治体などに実施が義務付けられ、受診率が低いとペナルティーもあります。
厚生労働省によると、がんで亡くなる人は年30万人超で、死因のトップです。しかし、1982年度に始まった市町村のがん検診は、健康増進法での努力義務にとどまるため、自治体の関心がメタボ健診に傾いたらしいということになります。
昨年4~12月、全国約900市町村の肺がん検診の受診者の減少は、前年同期の11%にあたる約27万人に上ったそうです。
ここまで減ったのは、メタボ健診によるもう一つの影響とする見方もあります。
メタボ健診の前身は、市町村の基本健診です。職場で定期健診を受ける機会のない主婦や高齢者らも対象で、がん検診と同時に行っていた市町村も多いのです。
ところが、メタボ健診は保険事業の運営者が実施します。自営業者など国民健康保険加入者は市町村のメタボ健診を受けられますが、サラリーマンの妻は夫が勤める会社の健康保険組合で受けることになりました。
基本健診だった時と同様に、メタボ健診をがん検診と同じ会場で行った町では、次のような光景も見られました。メタボ健診が受けられないサラリーマンの妻の中には「がん検診だけなら受けない」と怒って帰った人もいたそうです。がん検診も受けられなくなったと誤解して来なかった人もいたといいます。
メタボ対策ばかりでなく、がん検診も大切で、おろそかにしないためにも両立の工夫が大事なのではないでしょうか。
メタボ健診・・・メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防と医療費抑制が目的で、40~74歳が対象。異常が見つかると、保健師らが食事や運動の指導をします。
花粉症対策は・・・?
関東人はマスク好き? 花粉症対策の調査で、マスクで対処する人が関東地方に集中していることが分かりました。他の地方では薬や食べ物で対応する人が多かったようです。
花粉症対策とそれにかける費用を尋ね、回答者の居住地ごとに集計しました。
「マスク」を挙げた人が最も高かったのは茨城で61.4%。続いて神奈川61.1%、千葉60.8%、東京58.6%、静岡57.7%と、上位に関東の各都県が入りました。「薬」は鳥取、「目薬」「食べ物」「飲み物」はいずれも秋田が1位でした。
対策費用が最も高かったのは青森で、1カ月あたり2380円。一方、隣の秋田は1091円で最下位でした。両県の花粉の飛散量は22位と23位でほぼ同じですが、かける金額が違うのは県民性の違いではないでしょうか。
スギ花粉"襲撃"の季節、マスクやゴーグルなどで防御しても、落とし穴は「洗濯物」--。花粉対策として一般に知られている「洗濯物をはたいて取り込む」ことに、実効性が薄いことがわかりました。花粉症の人の洗濯物は部屋干しにするのがお勧めです。
綿100%の試験布を使い、洗濯処理し濡れた状態の布に花粉(スギ)を付着させ、乾燥させた後に手で軽く払う程度の振動を加える実験をしました。そこで花粉の残留率を調べたところ、試験布の花粉残留率は、81.8%で、ほとんどの花粉は落ちていないことがわかりました。一方、乾いた布に花粉を付けて同様の実験を行ったところ、残留率は14.7%となり、濡れている状態でついた花粉は、乾燥した後に払っても、ほとんどが落ちないことが明らかになりました。
さらに実験では、洗濯処理後の濡れた綿布に疑似花粉を付着させ、乾燥中の繊維の動きを観察しました。すると、乾燥するにつれ、布の表面に張りついていた繊維が立ち上がるように動き、疑似花粉を巻き込む様子が確認されました。濡れた状態で花粉がついたまま乾燥させると、花粉が繊維に巻き込まれてしまい、花粉が落ちにくくなる可能性が考えられます。こうした結果から、花粉の時期は洗濯物に花粉がつかないよう、部屋干しなどの工夫が大切ということです。
花粉の飛散は午後8時から午前10時ごろまでは比較的少なく、昼前後と日没から数時間がぐっと増えるそうです。時間を選んで干したり、部屋干しが望ましいですね。
現在では国民の15~30%が花粉症患者と推定されています。
花粉飛散時に、3LDKのマンションで窓を1時間全開にして換気すると約1000万個の花粉が入ってくるそうです。窓の開きを10センチ幅に抑えてレースのカーテンをすれば、花粉の侵入は4分の1に減らせるといいます。網戸の上から張る花粉フィルターも発売されています。
あなたなりの対策を考えてみてくださいね。
がん患者のための研究所を新設
医療機器のオリンパスと島津製作所は慶応大と共同で、2010年にがんの治療技術に関する研究開発センターを新設するそうです。
患者の体への負担が少ない治療法を専門に研究する拠点で、日本では初めてとなります。超小型ロボットの開発など、産学連携で次世代の医療機器や医薬品などの開発に取り組むということです。
研究開発センターは慶応大医学部キャンパス内に設けます。投資額は実験機器などを含めて約20億円に上り、このうち8億円を国が補助するそうです。
研究対象は、治療に伴う出血や体組織の切除などを抑える「低侵襲療法」と呼ばれる治療法です。具体的には、口から体内に入って遠隔操作で治療できる超小型ロボットや、がんの部位を正確に特定することで切除部分を最小限にする診断装置などの開発を目指します。
オリンパスは、口からのみこむカプセル型内視鏡を開発するなど内視鏡に強みを持っています。島津製作所は、陽電子放射断層撮影(PET)など画像診断装置を得意としています。センターの新設には、横河電機や浜松ホトニクスなども参加する予定です。
センターの開設を待たず、既存施設を利用して09年中に共同研究を始め、医学部に併設の慶応大病院とも連携するということです。基礎研究から臨床実験まで一貫した態勢を1か所に築くのも異例なことです。
手術や検査などの際に患者に与える外傷や出血、放射線の被曝(ひばく)、痛みなどを医療用語で「侵襲」といいます。侵襲が少なければ、早期の回復が見込める事例も多いとして研究が進んでいます。医療機器をより小型・高性能にする必要があり、政府が研究開発への支援を強めているところです。
まず禁煙・節酒
がんや心筋梗塞(しんきんこうそく)などの予防には、肥満の改善も大切ですが、それよりもまず禁煙やお酒を飲み過ぎないことが重要であることが、厚生労働省研究班の調査で分かりました。
40~69歳の男女約9万6000人を10~13年間追跡調査。生活習慣の中の喫煙、飲酒、肥満の三つの要因と、がんや心筋梗塞など循環器系の病気との関連を調べました。
全体として、禁煙した場合と飲酒量を減らした場合は10年後の生存率はすべての年齢で上がりますが、BMI【体重(キロ・グラム)を身長(メートル)の2乗で割った値。標準は22】を改善しても生存率に変化はなかったそうです。
また男性では「たばこは吸わず、飲酒は時々、BMIは25~27」のグループが、10年後も、がんや循環器系の病気にならずに生存する割合が最も高く、健康的でした。
逆に「喫煙1日40本以上、毎日2合(日本酒の場合)以上の飲酒、BMI30以上」のグループが、最も不健康でした。
50~54歳の男性で、最も不健康なグループを、最も健康的なグループに比べると、10年間で、がんになる人は2・8倍、循環器系の病気は4・8倍多かったということです。
肺がん
日本人は75歳までに男性の約2人に1人、女性の約3人に1人が何らかのがんに罹ると言われています。その中でも肺がんは治療が難しく死亡率が高いがんの1つで、治療効果と安全性の高い治療法が望まれています。
喫煙者の検診は胸部X線写真だけでは不十分。喀痰細胞診の検査をプラスして
がんによる日本人の死亡率をみると、臓器別では肺がんが男性で第1位、女性で第2位となっています。1年間に約5万人が肺がんで死亡しています。5年後には肺がんで亡くなる人の数は倍増し、10万人を超えると予測されています。その理由として、若い女性の喫煙率が上昇していることやアスベストの影響などが挙げられます。
喫煙量が多いほど、そして喫煙開始年齢が低いほど、肺がんの発生率は高くなります。また胸膜中皮腫の原因物質として問題になっているアスベストは、発がん物質で、これが原因で発がんするのは、数十年後など、かなりの時間が経過してからです。
肺がんには小細胞がんと非小細胞がんがあり、非小細胞がんはさらに腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんの3つの細胞型に分かれます。喫煙と関係する扁平上皮がんや小細胞がんは肺の入り口に近い気管支に、喫煙と関係しない腺がんは肺の末梢に多く発生します。
肺がんが発見されるきっかけは検診発見、他疾患観察中発見、有症状発見の3つがあります。
最も早い時期に発見される可能性があるのは検診です。
腺がんは胸部X線写真で発見される確率が高いのです。一方、扁平上皮がんは胸部X線写真では発見されにくく、喀痰の細胞を調べる検査(細胞診)で発見される確率が高くなります。
検診で肺がんの発見率を高めるには、胸部X線写真だけでは十分とは言えません。喫煙者には喀痰細胞診を追加する必要があります。また最近ではCTの発達により、以前は困難だった前がん状態やごく早期の肺がんが発見される機会も増えてきました。日本ではCT検診で約1%という高い肺がん発見率の報告もあり、有用性の検証がおこなわれています。
2つめは、他の疾患の治療中に偶然発見される場合で、これも初期発見の可能性があります。
3つめは、症状が出て受診して初めて発見される場合です。症状が出てから発見される場合が最も治療成績が悪くなります。
肺がんの一般的な症状は、咳、血痰、呼吸困難などですが、肺がんに限った症状ではありません。がんの発生部位によりほかにもさまざまな症状が現れます。がんが胸壁に浸潤すると背中や胸、肩の痛み、血管に浸潤すると上大静脈症候群、神経に浸潤するとホルネル症候群などが出現します。上大静脈症候群では上大静脈が圧迫され、顔や腕の浮腫、脳浮腫による頭痛や痙攣、呼吸困難などがみられます。ホルネル症候群では交感神経が障害され、瞳孔が縮小したり瞼が下がったりします。
治療法はがんの病期と患者の体力で決まる。手術の決め手は「1秒量」
肺がんの主な治療法には、手術、化学療法、放射線療法があります。治療の決定に重要な要素は、がんの進行度と治療を受ける方の体力です。
一般的には手術でがんを取りきれる可能性が高ければ手術が選択されます。リンパ節転移がない非小細胞肺がんの場合、手術が最も確実に治療効果が得られる方法です。手術をしても小さな腫瘍細胞が体内に残ってしまう可能性があれば化学療法や放射線療法が併用されます。手術をしてもあきらかに腫瘍が残る場合は、手術はせずに化学療法または放射線療法が選択されます。最近では、放射線療法の技術が進んでおり、呼吸のタイミングに合わせて、多くの方向からがんにピンポイントに放射線を照射できる「定位放射線治療」も肺がんに対して行われるようになりました。早期の肺がんであれば治癒にいたる可能性があり、体力的に手術を受けられない方に朗報です。
もう1つの重要な要素は「患者に治療に耐えられるだけの能力があるかどうか」です。肺がんの手術でもっともダメージを受けるのは呼吸機能ですので、手術前の呼吸機能の評価は重要です。特に「1秒量」と呼ばれる、最大に息を吸った状態から最大努力で息を吐き出した1秒間の肺気量の値で評価されます。1秒量は年齢、性別、体格などで異なりますが、この値が1,000ccから800cc以下に低下すると酸素吸入が必要となる可能性があります。そのため、手術は1,000cc以上が見込まれる患者が対象となります。この1秒量は、喫煙によって低下します。
「高齢だから」と暦年齢のみで手術の可否が決まることはありません。また糖尿病や喘息などの合併症や、過去に心筋梗塞を起こした経験があっても、現在不安定な状態でなければ手術は可能です。
肺がんに対して、カメラを使用して小さな傷で手術をする胸腔鏡手術もあります。この方法は高度の技術が必要となるため専門医のいる施設に限られます。手術後の傷の痛みや呼吸機能の損失を小さくすることによって、高齢の患者さんや合併症を有する患者さんにも手術適応が広がる可能性があります。
肺がんの早期発見は検診から。確実で負担が少ない治療法の開発も進められている
画像診断が発達して早い時期の肺がんが発見されれば、負担の少ない低侵襲手術や縮小手術の適応が拡大します。また、進行がんであっても、複数の診療科が協力しておこなう治療(集学的治療)によって、治療成績が向上しています。
免疫システムは夜間によく働く
身体に侵入した細菌に対する免疫システムによる攻撃は、夜間に最も強く、昼間は最も少なくなることがショウジョウバエを用いた研究で判明したそうです。
発表によると、「今回の結果は、免疫が夜間に強くなることを示している。これは、代謝的な消費の多い活動をしていない睡眠中に、概日(サーカディアン)時計蛋白(たんぱく)が特定の免疫反応などの機能を上方調節するという仮説に一致する。」 ということです。
ヒトの体はショウジョウバエと同じように概日リズムによって調整されていて、毎日の食事や休息の時間という体内時計を動かしています。研究グループによると、ハエを用いた過去の研究から、細菌に感染すると概日リズムが乱れ、体内時計が正しく働かないと感染症に対する感受性が高くなることがわかっているそうです。
今回の研究では、ショウジョウバエを昼間と夜間の異なる時間に、2種類の異なる細菌に感染させました。夜間に感染した場合、昼間に感染したものよりも生存率が高かったといいます。研究グループはこのほか、概日時計が乱れたショウジョウバエでは "食細胞的"活性(身体の生来の免疫反応)が低いことも突き止めています。
あなたは?
「平成19年国民健康・栄養調査」の結果からみてみましょう。
今回の結果で問題だったのが、糖尿病です。
糖尿病の疑いのある人は、全国で2210万人。
大人の5人に1人、前年と比べて300万人以上も増えています。
「正しい食生活と運動習慣が糖尿病の予防につながる」と答えた人が、
およそ90%。わかっちゃいるけど・・・という人が多いわけです。
1日の歩行数は、男性が7321歩、女性が6267歩。
「健康日本21」による目標値は、男性9200歩、女性8300歩です。
メタボリックシンドロームの人も増えています。
「メタボが強く疑われる人」と「予備軍」を合わせて2010万人。
「朝食の欠食率」は、若い人ほど朝食を食べないというのが増加傾向です。
30代男性では、30.2%です。30%を超えています。
続いて、20代の男性28.4%、20代の女性24.9%という割合。
1歳~6歳でも、男児5.3%、女児7.3%が朝食をとっていません。
悪い食習慣は、そのまま生活習慣病につながります。
食育で、正しい食習慣を実践できる人が増えてほしいと思います。
子供と食事
6つのコショクと子供の人格形成の問題は?
「個食」
家族が揃っているにもかかわらず、各自がバラバラのものを食べること。
⇒ わがままになる、協調性が身につかない、味覚形成にも問題が生じます。
「孤食」
1人で食事をすること。
⇒ 食事作法が身につかない、コミュニケーションの苦手な子になる、
社会性が身につかない、偏食がすすむなどにつながります。
「粉食」
パンなど、粉のものを主食に食べること。
⇒ 肥満の原因に。ご飯100gは140kcal、パン100gは225kcal。
おかずも洋風になり、全体で30%カロリー増。
よく噛まないので、記憶力・思考力が心配。添加物など健康も心配です。
「固食」
自分の好きなものしか食べないこと。
⇒ 偏った食事で肥満や生活習慣病に。
ビタミン・ミネラルの不足でイライラ・集中力がない・キレやすいなどに。
「小食」
ちょっとしか食べないこと。特に女の子にみられます。
⇒ 栄養不足で発育が心配です。
「濃食」
味が濃いものばかりを食べること。最近増えたコショクです。
⇒ 味覚障害に。いろんな味を口の中で味わいながら食べることが大切です。
塩分、調味料、添加物などのとりすぎも心配。
食を通じたしつけは、一般常識を確立するのに一番大事なものです。
テレビを消して、団らんのある食卓を作りましょう。
あなたも食育について考えてみてください。
骨粗しょう症
国内に1千万人とも言われる骨粗しょう症(こつそしょうしょう)や、関節リウマチの画期的な新薬の候補を、大阪大と米国立保健研究所のチームが発見したそうです。脂質の一種で、骨を壊す細胞を、骨から引き離す働きをするということです。
骨を作る細胞と壊す細胞(破骨細胞)のバランスが崩れると病気になりますが、破骨細胞が骨の中で働く仕組みはよくわかっていませんでした。
大阪大免疫学フロンティア研究センターでは、生きたマウスの骨の中を見ることができる新しい顕微鏡を開発し、骨を壊す細胞の動きを観察しました。
その結果、血液中に含まれる脂質の一種「スフィンゴシン1リン酸」(S1P)に、破骨細胞を血管へ引き戻す働きがあることを突き止めました。
チームは、免疫抑制剤として海外で臨床試験の最終段階まで進んでいる薬に、S1Pと同じ仕組みで働くものがあることに注目。この薬を骨粗しょう症のマウスに投与したところ、骨の破壊が6割軽減されることがわかりました。この薬は、冬虫夏草の成分をもとに作られたもので、S1Pより強い働きをもつということです。
すでに人の薬として開発中なので安全性は高いということです。骨粗しょう症や関節リウマチ、がんの骨転移など骨が壊れる病気のひとに役に立つといいですね。
小児がん
小児がんは、すべてではありませんが、遺伝的な素因が関与する要素のあることが、大人のがんとは違います。子どものがんは「生活習慣病」とはいえないのです。
小児がんは、15歳未満の子どもにできるがんで、日本では毎年2500人が新たに小児がんにかかり、現在約1万7000人の子どもが、がんと闘っています。これは、およそ小児1000人に1人に相当します。
子どもの死因としては、「不慮の事故」に次いで2位、病気による死亡原因の1位です。
大人に多くみられる胃がん、大腸がん、肺がんなどは、小児はほとんど発症しません。こうした大人のがんは、粘膜など臓器の表面からできますが、子どものがんは、血液や骨、肉といった、体の奥からできる「肉腫」が多いのが特徴です。
白血病が小児がんの約3分の1を占め、脳腫瘍(しゅよう)、神経芽細胞腫の順で続きます。
小児がんは、種類によって発病しやすい年齢があります。網膜芽腫(網膜のがん)は乳児に、白血病は2~5歳に、骨肉腫は10代に多く発症します。また、生まれてすぐに診断される先天性のがんも少なくありません。
小児がんの研究が進むにつれて、一部の小児がんの原因が「がん抑制遺伝子」など、特定の遺伝子の突然変異であることが分かってきました。たとえば、網膜芽細胞腫が両目にできる場合、「RB1遺伝子」というがん抑制遺伝子に、ほぼ100%突然変異が起こっています。
小児がんは、大人のがんと比べて抗がん剤や放射線治療がよく効きます。
小児がんで一番多い急性リンパ性白血病は、約40年前までは不治の病と考えられていましたが、今では8割が治癒しています。大人のがんを含め、治癒率が最も改善したがんです。
一方、小児がんは、発見が遅れがちで、治療後の後遺症も少なくありません。
テレビの見過ぎが原因...
成人後のファーストフード好みは10代のテレビの見過ぎが原因
1日5時間以上テレビ(TV)を見ている10代の若者は、成人後にファーストフード嗜好(しこう)になりやすいとの研究結果が報告されました。
中学生564人と高校生1,366人のデータを収集。1日あたりのTV視聴時間と5年後の食生活を検討したそうです。その結果、1日5時間以上TVを見ていた高校生は、5年後、果物や野菜、全粒穀物、カルシウムの豊富な食品はあまり摂らず、スナックや揚げ物、甘味飲料、トランス脂肪酸を含む食品を多く摂取していました。
「ファーストフードレストラン、スナックやその他の不健康な食品のコマーシャル(CM)を見る時間が長すぎることが関与している。TVを見ながらの食事は、CMで見る食品を摂取する可能性を高める。子どもの食生活を健康的にするには、親がTVを見る時間を制限し、健康的な食習慣を身につけさせることが必要。TVは1日2時間以内にすべきである」という意見もあります。
今回の研究で、TVの見過ぎ、特に食品CMの見過ぎは子どもの食事に影響を及ぼすことが判明しました。また、TVを見る時間が長い思春期の若者の1日のカロリー摂取量は、適度な時間しか見ない若者に比べて、約200カロリー多いことが示唆されたそうです。
子どもも親もTVの前に座って過ごす時間を減らす努力をすべきことを示す明らかな証拠です。研究からは、ジャンクフードのCMと"カウチポテト(四六時中TVの前に座り間食すること)"的ライフスタイルのどちらが、あるいは両方が悪い食生活の原因となっているのかは明らかではありません。いずれにせよ、食事中はTVを見ないなど家庭内でのルールづくりが必要であるようです。
鳥インフルエンザウイルスを10分間で検出
医療用検査機器大手のシスメックスは大阪府立公衆衛生研究所(大阪市)と共同で鳥インフルエンザウイルスを10分間で検出できる簡易検査キットを開発したそうです。
鳥インフルエンザウイルスから変異し、ヒトへの感染力を強めた新型インフルエンザが出現した場合も検出できる可能性が高いということで、大流行(パンデミック)に備えて製造販売承認の早期取得をめざしています。
のどの粘膜を綿棒でこすって表面の液体を採取し、抽出した成分を専用の試験紙に垂らすと、鳥インフルエンザウイルスが含まれる場合は青く発色するのだそうです。
鳥インフルエンザウイルス内部にある特定のたんぱく質に反応して発色する仕組みです。
この実用化で、流行が未然に防げたらいいですね。
脳内に薬剤が運ばれる様子を画像に...
脳腫瘍(のうしゅよう)の抗がん剤が、脳内に運搬される様子を画像で示すことに、放射線医学総合研究所(千葉市)が世界で初めて成功したそうです。
薬の効果の判定が予測しやすくなるため、患者の特性に応じて抗がん剤の投与量を調整する手法の開発につながりそうだということです。近く、米専門誌に掲載されます。
脳には「脳血液関門」という構造があり、薬剤が入りにくいのだそうです。これまでは投与した抗がん剤が脳にどの程度運ばれるか、直接確かめることができないため、がんの縮小率などを指標に、薬の効果を判定していました。
研究チームは、国内未承認の脳腫瘍の抗がん剤に、造影剤を結合した薬剤「SLENU(スレニュー)」を開発。この薬剤をマウスの静脈に注射したところ、20秒後に脳内に薬剤が運ばれている様子が、MRI(磁気共鳴画像)で観察することができました。
また、スレニューは、がん細胞が死ぬときに出る活性酸素で性質が変化するため、この薬剤でがん細胞がどれくらい死んだか、治療効果を判定することもできるというのです。
ウイルスや細菌などの感染で発生するガン
国際がん研究機構(IARC)の報告(2003年)によれば、全世界でウイルスや細菌などの持続感染が原因で発生するがんの割合は、18%程度と推計されています。
日本では、感染によるがんの占める割合は比較的高く、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)による肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸(しきゅうけい)がん、ヘリコバクター・ピロリ菌(Hp)による胃がん、ヒトT細胞性白血病ウイルス(HTLV-1)による成人型T細胞性白血病・悪性リンパ腫などが、大きな問題となっています。
そのほかに、EBウイルスによる悪性リンパ腫や鼻咽頭がん、ビルハルツ住血吸虫による膀胱がん、タイ肝吸虫による肝がんなどが知られています。発がんのメカニズム、持続感染者の発がんリスクは、感染体やそのタイプによってさまざまです。このような感染に起因するがんは、先進国全体では9%と比較的低いのに対し、発展途上国では23%におよびます。発展途上国では感染が広がりやすい一方で、対策が遅れがちな状況を反映しているのでしょう。
日本では、胃がん、肝がん、子宮頸がん、成人型T細胞性白血病・悪性リンパ腫は、ほぼ感染者から発生すると考えられています。胃・肝臓・子宮頸部のがんの年間罹患数(2002年の推計)は、それぞれ、106,800、40,600、15,500で、合計162,900となり、日本のがんの約4分の1以上を占めることになります。
この背景には、日本における感染者数の多さがあります。正確な統計はありませんが、Hpに感染したことがあるのは数千万人(50歳以上では8割以上というデータもある)と推定されます。HBV・HCVは発がんリスクとなる慢性感染者だけで数百万人、そして、HPVは多くのタイプが知られ、性交経験のある女性の大半に感染歴があり、その中にハイリスクとなるタイプの慢性感染者が紛れ込んでいると考えられます。
また、成人型T細胞性白血病・悪性リンパ腫は、年間1,000人程度が罹患していますが、日本全国で120万人程度がHTLV-1感染しているとの推計があります。
いずれも、感染者のうち実際にがんになる人は一部であり、感染予防とともに、感染者の掘り起こしとその発がん予防が重要な課題と認識されています。感染による発がんでは、どのような人ががんになりやすいのかを、病原体のタイプなどの違いから探るとともに、感染者側の生活習慣の違いからも探り、両者をつき合わせて考える必要があります。
Hpの存在が確認され、胃潰瘍との関連が、西オーストラリア大学のマーシャル教授とウォレン博士により報告されたのが1983年のこと(2人は、この功績により2005年にノーベル医学生理学賞を受賞した)。そして、IARCによって胃がんとの関連が確実なものとされたのは1994年と、その歴史はまだ浅いのです。
胃がんに罹患した約500人と罹患していない500人について、1990~94年の研究開始時点(胃がんに罹患していない状況)で提供していただいた血液のHp菌に対する抗体を測定して比較してみました。その結果、胃がん罹患者の99%から抗体が検出される一方、非罹患者でも90%に感染の証拠を認めました。つまり、Hp感染の既往がなければ胃がんにはほとんどならないのですが、感染者(現在の中高年の90%が該当)のうち胃がんになるのはごく一部ということになります。
Hpは抗生剤を用いた除菌が可能であり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に対しては保険適応とされています。さらに、それによる胃がんの予防も期待されるところです。ただし、おそらくは幼少時に感染したであろうHpを、中高年期に除菌することによる胃がん予防効果の是非については、現在、研究が進められている段階です。これまでのところ、早期胃がんを内視鏡により切除した患者グループに対する除菌による胃がん予防効果を示す確かなデータはありますが、対象を一般住民にまで拡大して応用するためには、除菌による副作用の状況を含めて、さらなるエビデンスが待たれます。
胃がんについては、禁煙や減塩(特に、高塩蔵食品の制限)、野菜・果物の摂取などの確立したリスク軽減法もあるので、まずは、生活習慣の改善が試みられるべきではないかと考えています。また、感染していれば、胃がんに罹る確率が高いので、年1回の胃がん検診は欠かせません。
ガンは遺伝するの?
がんは、基本的には遺伝する病気ではありません。しかし、非常にまれですが、遺伝的な理由によってがんができやすい家系があります。こうしたがんは、全体の5%程度で、「家族性腫瘍(しゅよう)」と呼ばれます。
がんは、DNAが複製されるときのコピーのミスによって、遺伝子にキズがつくことが原因です。がん発生に関する重要な遺伝子に「がん抑制遺伝子」があります。これは、体の細胞ががんになるのを防ぐ働きを持ちます。
私たちのDNAは、父から半分、母から半分を受け継ぎますから、がん抑制遺伝子も二つ持っていることになります。がん抑制遺伝子が二つともキズつくまでには、長い年月がかかりますので、がんは高齢者の病気といえます。
ところが、家族性腫瘍の患者の遺伝子を調べると、片方のがん抑制遺伝子に生まれつき突然変異があるのです。この突然変異は、すべての細胞にありますから、残る一つのがん抑制遺伝子にキズがつくと、がん抑制遺伝子が二つとも働かなくなり、がんが発生します。
矛から身を守る盾が、普通は2個あるのに、生まれつき1個が壊れていて、1個しか使えないようなものと言えます。このため、家族性腫瘍の場合、若いときにがんができ、多くの臓器にがんが発症する傾向があるのです。
この変異したがん抑制遺伝子は、親から子へと受け継がれます。両親のどちらかに突然変異がある場合、次の世代に受け継がれる可能性は50%ですから、子どもが4人いると、2人が変異したがん抑制遺伝子を持って生まれる計算になります。
ただし、変異したがん抑制遺伝子を持っていても、がんにならないこともあります。一方、がん抑制遺伝子が二つとも正常でも、がんができることもあり、家系の特定は困難です。
こうした家族性腫瘍は、大腸がん、乳がん、卵巣がんなどに見られますが、あくまで例外で、多くのがんは「生活習慣病」です。がんにならない生活をして、なっても検診で早期に見つけることが大切です。
ガン患者の食事
病院外でがん患者と家族の相談に応じる「がん患者・家族総合支援センター」(柏市若柴)で、抗がん剤や放射線療法を受ける患者と家族向けの料理教室が好評だそうです。
治療の副作用による食欲不振、吐き気、口内炎といった症状に応じた食事の工夫を提案するもので、市医師会と連携して同センターを開設した国立がんセンター東病院が、昨年9月から始めたものです。
「楽しく無理なく食事をするヒントを得られた」。「家でも作ってみたい」。と、これまで8回開かれた参加者アンケートにはこんな感想が並びます。
教室では毎回、テーマを決め、症状の起きるメカニズムを講義し、季節に合った料理を実演、試食を楽しんでもらいます。
第1回は残暑の時期だったため、「吐き気で食欲がないとき」をテーマに、そうめんと絹さやのすまし汁や翡翠(ひ・すい)なすなど、においを抑え、冷たく頂けるレシピを提案しました。
12月は「行事を楽しむ―貧血があるとき」。
がん細胞の増殖を抑える抗がん剤は、正常な細胞も傷つけ、血液を作る骨髄の働きが低下する「骨髄抑制」を引き起こし、体に様々な影響を及ぼす恐れがあります。その一つが赤血球の減少による貧血症状です。さらに食欲不振による栄養不足も、貧血の要因となります。鉄分を補う食事として、貝類、レバー、赤身肉など、動物性食品を使い、手軽に出来るメニューを管理栄養士が実演しました。
1月22日は「冬野菜を美味(おい)しく食べる―味覚が変わってきたとき」で、味覚異常の要因の一つ、亜鉛不足を取り上げ、亜鉛を豊富に含む食品を活用するパスタなどを紹介しました。
通院でがん治療を続ける患者が増えるなか、「家庭での食事の悩みに応える場を地域につくることが大切だと考えました」と企画・運営する同病院。食が進まなくなると体力・気力が低下し、治療の継続が困難になることも懸念されるといいます。
原則として、月に2回(第2、4木曜日)の開催。回を追うごとに参加者は増え、半数はリピーターだそうです。つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅すぐの便利さから、東京や埼玉からの参加者もあり、「同じ境遇の患者や家族同士で、安心して話ができ、気持ちを解放できる場にもなっているようです。話が弾み、試食時間が長引くこともあります」ということです。
パーキンソン病「ペリー症候群」
パーキンソン病の一種、関与の遺伝子特定 福岡大など
手足の震えや動作が緩慢になるなどの症状が出るパーキンソン病の一種で、遺伝性の「ペリー症候群」の患者に共通する遺伝子変異を、坪井義夫・福岡大准教授(神経内科)と米国の医療機関などのグループが突き止め、米科学誌ネイチャージェネティクスに発表しました。
パーキンソン病は遺伝によらない「孤発性」が約9割を占めるとされていますが、坪井准教授は「症状の進行が早いペリー症候群の遺伝子の特定は、孤発性パーキンソン病の発症メカニズムの解明にも役立つ」と話しているそうです。
ペリー症候群は1975年にカナダで確認されて以来、日本を含む世界の8家系でしか見つかっていない極めてまれな疾患です。40歳代前半での若年発症が多いのが特徴です。
坪井准教授が福岡大の山田達夫教授らとともに2001年に日本で初めての家系を報告して以降、発症者と非発症者を含む全家系の約60人の遺伝子を調査した結果、既に発症した約20人全員について「DCTN1」と呼ばれる遺伝子に変異があることが分かったということです。
はしか(麻しん)予防接種を受けてください・中1、高3生
はしか「中1・高3生、接種して」接種率伸び悩み
若者のはしか流行防止のため、昨年度から予防接種の対象となった中学1年と高校3年世代の接種率が9月末時点で5割前後にとどまることが、厚生労働省の調査で分かったそうです。
独自の取り組みで高い接種率を誇る自治体もありますが、低迷する自治体も多く、都道府県の格差は約2倍に達するもようです。
厚生労働省は「中1と高3世代が無料で接種できるのは来年3月末まで。春の流行前に接種してほしい」と呼び掛けています。
厚生労働省結核感染症課によると、9月末の全国のはしかワクチンの接種率は中1で56.4%、高3で47.6%。
都道府県別で最も高いのはいずれも福井県で中1が84.0%、高3が73.0%。逆に低いのは中1が大阪府の44.1%、高3は東京都の32.4%。都市部で低い傾向が顕著だということです。
身近に対象者のいらっしゃるご家庭は、声かけをお願いしたいです。
献血で糖尿病もチェック
献血で糖尿病もチェック 日赤、09年3月から
日赤は、街頭などで献血した人に無料で実施している血液検査に、糖尿病の疑いがあるかどうかを調べる項目を新たに加えると発表しました。来年3月から始めます。
食生活の欧米化などで患者数が増え、国民的にも関心が高くなっている糖尿病を検査対象とすることで、深刻化する献血者の減少に歯止めをかけるのが狙いです。
日赤は「糖尿病の検査は、これまで献血者からも要望があった。予防には定期的な検査が有用で、健康管理に役立ててほしい」(血液事業本部)としています。
街で献血車をみかけたら、ぜひ、協力したいですね。
あなたは太っている?
「自分は太っている」 男性56%>女性41% 30―50代
オムロンヘルスケアが30―50代を対象に実施した生活習慣に関する調査によると、自分のことを「太っている」と感じている男性は5割を超えたのに対して、女性は4割程度であることが分かりました。
一方で、実際にダイエットに向けて努力しているのは女性で6割超、男性は5割強だったということです。総じて男性のほうが「太っている」自覚はあっても改善の努力は惜しんでいるという結果になりました。
体の状態について聞いたところ「自分は太りすぎ」と「太っている」と回答した割合の合計は男性が56.0%、女性が41.6%だったそうです。
反対に「やせすぎ」と「やせている」の合計は男性が9.9%、女性は12.2%です。ダイエットの必要性については男女とも7割強が「感じている」と回答しましたが、実際にダイエットに向けて努力しているのは女性で62.0%、男性は54.7%でした。
調査は2008年12月26―28日にかけてインターネットで実施。30―59歳の男女1200人が回答しました。
全国体力テスト
子供の体力、地域差大きい
文部科学省は21日、全国の小学5年生と中学2年生を対象に初めて実施した「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)」の結果を公表しました。
8種目の結果を得点化した体力合計点(80点満点)は都道府県間で約6―10点の差があり、子供の体力に地域差がある現状が浮かんでいます。
都道府県別では福井県や秋田県で体力が高かったということです。ほとんど運動をしない子供の割合は中2女子で3割にも達しています。
同調査は全国学力テストの「体力版」といえる原則全員参加のテストで、握力や50メートル走など8種目を測定します。
2008年4―7月にかけて実施し、参加校数は小学校が全体の71%に当たる1万5605校、中学校が70%の7578校でした。
平均点(国公私立)は小5男子が54.19点、女子が54.85点、中2男子が41.42点、女子が48.29点。いずれも大都市(政令市と東京23区)で平均合計点が低く、人口の少ない町村やへき地が高かったようです。
女性のガン診療がピンチ!
女性ガンも医師不足で大病院に受診集中
大学病院など一部の大規模病院で、子宮がんと卵巣がんの患者の受診が急増し、地域によってはお産に加え、女性のがん診療もピンチになっていることが、日本産科婦人科学会の緊急調査で分かったそうです。
学会は、産婦人科医師の不足でお産とともに婦人科診療を取りやめる医療機関が増えた結果、これらのがんの患者が大病院に集中したとみて、さらに詳しく実態を調べる方針だということです。
患者集中の影響で、手術の待機期間が長くなったり、長距離通院を強いられたりするなど、患者側の不利益も明らかになっているということで、大変です。
調査は、同学会などに年間の子宮がん、卵巣がんの患者数を登録している約270病院について、2004年と07年の患者数を比較。
うち20病院はこの3年で患者数が1.25倍以上になっていたそうです。
増加が最も著しかったのは三重大の2.26倍。それに千葉県がんセンター(2.02倍)や東京医科大(1.95倍)、大阪大(1.71倍)などが続いています。
患者側としては、よい先生にめぐり会いたい...という気持ちも強いですよね。
メンタルケアの大切さ
がん患者の精神症状として、不安、うつ状態、不眠、せん妄(身体不調により一時的な興奮・幻覚を生じる)などがあります。
さらに、生きている意味など人生観にも及ぶような深い悩み(スピリチュアルペイン=魂の苦痛)を示すこともあります。
不安・うつ状態に対しては、周囲の人々(家族・友人など)の心の支えが最も大切です。
気の利いた助言ができなくても構いません。
むしろ、「ふんふん」とそのつらさをじっくりと時間をかけて聞き(「傾聴」といいます)、傍らにいるだけでよいのです。
患者はしばしば、「こんなにつらい思いはどうせ誰にもわかってもらえない。相手に心配をかけるだけなので、黙っておこう」と孤独感を深めてゆき、さらに不安やうつ状態を悪化させます。
このような時に身近にいる人が、「ふんふん」と話を聞くだけで、あるいは傍らにいるだけで、少なくとも孤独感は和らぎます。
患者自身も、話をすることで、たとえ問題が解決しなくても、つらい思いを吐き出して楽になります(吐き出し効果)。
患者は話をすると、相手に心配をかけると思いがちですが、黙っていてもつらさは顔に出てしまいます。
黙っていると周囲の人々は余計に心配しますので、やはり話をした方が患者にとっても周囲の人々にとってもよいでしょう。
不安・うつ状態が長引く場合や、不眠・せん妄がみられる場合は、専門医の治療を受けた方がよいでしょう。
専門的カウンセリングや適切な薬物療法により、症状を早期に改善することができます。
あなたは「カーボンフットプリント」を ご存知?
最近、「カーボンフットプリント」が注目されています。
フードマイレージが距離を基準にしているのに対して、
カーボンフットプリントは、CO2の排出量をもとにしています。
カーボンフットプリントとは、
1つの商品が、原料の調達から製造~流通~使用~廃棄されるまで
どのくらいの二酸化炭素が排出されるかを表したものです。
現在、経済産業省が手がけていて
昨年末、統一マークの候補が挙げられました。
イギリスが、この先駆者といわれ、
日本では、今年からサッポロビールが
ビールにカーボンフットプリントの表示をつけることを発表しています。
日本の食料運搬にかかる二酸化炭素の量を見てみると、
輸入物では、年間1650万トン。
一方、国内の食料輸送は、900万トン。
輸入物は、国産に比べて約2倍のCo2を出しています。
他、炊飯器やポットの保温をやめる、
マイバッグを使う、露地栽培の食材を選ぶなど、
食に関わることでニ酸化炭素を減らことができることがいろいろあります。
改めて見直したいですね。
ガンの痛みのコントロール
皆さんは今までにどのような痛みを感じたことがありますか。
がんの患者さんの70%が痛みを経験すると言われています。がんの痛みの原因には、がん自体による痛みや放射線や抗がん剤治療、手術によって起こる痛みなどさまざまなものがあります。
痛みの種類には、うずく、締め付けられる、重いと表現されるような組織そのものが障害されて起こる痛みと、電気が走る、正座の後のようなしびれと表現されるような神経が傷つくことによって起こる痛みがあります。
どのように痛みを感じておられるかによって、効果のある薬剤も違ってきます。例えば、うずく痛みと電気が走る痛みがある場合には、種類の違う痛み止めを組み合わせて使うことで痛みが和らぎます。
痛み止めには多くの種類があり、1日1~3回決まった時間に内服するものや3日ごとに張りかえる貼付(ちょうふ)剤など、それぞれ使用法が異なります。
どの薬も使用方法を守って使用することで有効かつ安全に使用することができます。また、決まった時間に使用する薬以外にも、突然、痛みが出た時や、動くと痛みが強くなる場合に、短時間で効く薬(レスキュー)もあります。
いろいろな薬を組み合わせて、少しでも痛みが少なく過ごせるようにしていくことが大切です。
がん死亡率、最高青森・最低長野〈都道府県別死亡率表〉
07年の75歳未満のがん死亡率が、最も高い青森県と最も低い長野県では31ポイント差となっていることが、厚生労働省の調査で分かったそうです。全国的にがん死亡率は下がる傾向にありますが、10県は前年を上回りました。厚労省は「がん対策の一層の底上げが必要だ」と呼びかけています。
がん死亡率は、人口10万人あたりのがんによる死亡者の割合です。全国平均は88.5と前年より1.5ポイント減りました。男性は116.4(前年118.3)、女性は63.2(同64.3)でした。
都道府県別では、高齢化率の違いが影響しないよう調整した結果、死亡率が最も高かったのは103.7の青森県で、4年連続のワースト1位。前年より1.4ポイント減りましたが、男女別でもともに1位でした。100.6の佐賀県、97.4の和歌山県が続いています。前年を上回ったのは、神奈川、新潟、福井、滋賀、鳥取、島根、香川、愛媛、佐賀、長崎の10県です。一方、最も低かったのは72.7の長野県で、95年以来13年連続。
部位別にみると、肺がんと大腸がんは青森県、胃がんは新潟県、膵臓(すいぞう)がんは北海道、肝がんは佐賀県がそれぞれ最も高かったです。
青森県は、平均寿命も男女とも全国で最も短いところです。喫煙率も32%(04年)と全国で2番目に高く、塩分摂取量も長年、全国平均より高かったです。
■都道府県別がん死亡率(2007年)
北海道 93.8
青森 103.7
岩手 85.1
宮城 89.1
秋田 89.5
山形 82.2
福島 87.9
茨城 91.5
栃木 90.4
群馬 84.5
埼玉 90.1
千葉 86.8
東京 88.9
神奈川 89.4
新潟 91.7
富山 81.1
石川 83.9
福井 79.4
山梨 82.6
長野 72.7
岐阜 85.0
静岡 82.1
愛知 87.4
三重 80.1
滋賀 79.9
京都 86.1
大阪 97.3
兵庫 90.5
奈良 87.5
和歌山 97.4
鳥取 96.2
島根 89.1
岡山 78.6
広島 85.5
山口 91.4
徳島 82.3
香川 82.3
愛媛 87.4
高知 83.3
福岡 94.3
佐賀 100.6
長崎 94.2
熊本 79.0
大分 78.5
宮崎 80.5
鹿児島 85.4
沖縄 79.0
全国 88.5
(人口10万人あたり、75歳未満を年齢調整ずみ、厚労省調べ)
頭頸(とうけい)部がん の場合
頭頸(とうけい)部がんの場合は、胃や食道も検査しておく必要があります。
――頭頸部がんとは。
脳の下の頭蓋(ずがい)底から鎖骨までの領域にできるがんの総称です。頻度は全がんの約5%で認知度が低く、耳鼻咽喉科で診る疾患だということも、あまり知られていません。
――症状は。
喉頭(こうとう)がんは声がれ、口腔(こうくう)がんは舌の腫れや痛みなど、具体的な症状を訴えて初期に見つかる場合もありますが、実際は首のリンパ節に転移した進行がんの段階で気付き、受診するケースがほとんど。初診時に鼻から細い内視鏡を入れて視診を行えば、診断できることが多いです。
――発がんの原因は。
口腔がんや咽頭(いんとう)がん、喉頭がんは、喫煙と過度の飲酒に起因します。第二、第三のがんを併発する「重複がん」となる頻度が高く、特に食道、胃がんとの合併率が約3割に上ることから、上部の消化管の内視鏡検査は必須です。
――治療法は。
手術と、放射線・化学療法です。根治を大前提に、いかに体の機能を残すかがポイント。患者の大半は機能温存を望みます。どちらの治療も長所、短所があります。切除範囲や部位によっては「話す」「のみこむ」などの動作に支障が出ますが、摘出手術で欠損した部分に、体の別の組織を利用し、血管を付けて再建する「遊離皮弁移植」もあります。
――喉頭全摘後の発声法獲得とは。
声を失った人のための「気管食道シャント法」です。気管と食道の間に小さな連絡路を作り、逆流防止弁付きのシリコン製チューブを挿入します。ここを通して肺から呼気を食道に送り込み、喉頭粘膜を振動させて声を出します。
――利点は。
げっぷをする要領で声を出す「食道発声法」に比べ、はっきりと長文を発音できます。獲得も容易で、「歌を歌えるようになった」と喜ぶ人もいるほど。シャント法ができれば、食道発声法も獲得しやすい傾向にあり、両方できるのが理想的です。
――最後に。
頭頸部がんは、治療によっては声を失い、外見が変わるなど、心身への負担が大きいです。患者の9割が中高年の男性ですが、近年、若い女性の喫煙が増えており、今後は女性の罹患(りかん)率が高まるでしょう。喫煙と過度の飲酒を控えるのが最大の予防だと肝に銘じて下さい。
声がれや、のどの違和感...
「頭頸(とうけい)部がん」は、口やのど、鼻などにできるがんです。中でも、特に患者数が多いのが、のどのがん「喉頭(こうとう)がん」「咽頭(いんとう)がん」です。
喉頭がんは、「のどぼとけ」内側に起こるがんで、振動させて声を出す「声帯」にできることが多いです。がんになると、声帯が振動しにくくなり、初期段階で声がかすれたりする症状が出ることから、比較的早期に見つけやすいです。進行すれば、気道が狭くなり、息苦しさを感じるようになります。
咽頭がんは、鼻や口の奥の粘膜にできます。しかし、喉頭がんとは異なり、初期の自覚症状はほとんどありません。ある程度進行し、初めて症状が出てきます。まず、鼻づまりや食事の際、のどに違和感が出ます。さらに進めば、痛みを感じるようになり、飲食物がのみ込みにくくなります。
どちらも、高齢になるほど、患者が増える傾向にあります。「空気の通り道になる喉頭は"たばこ"で、飲食物の通り道である咽頭は"酒"で、それぞれ長期間刺激すると、発症のリスクが高まる」と言われています。たばこを吸わない人でも、副流煙に注意することが必要です。
初期の段階であれば、治療は放射線療法と抗がん剤による化学療法を併用します。進行していれば、外科手術を組み合わせることになります。
放射線で根治治療を行った場合、発声やのみ込みなどの機能は残されます。しかし、舌や唾液腺(だえきせん)など、周囲の正常な器官への副作用の心配があります。味覚がほとんどなくなったり、つばが出ずに口内が乾いたままになったりすることもあります。現状では、薬を服用しても症状を軽くすることは難しいそうです。
一方、外科療法では喉頭をすべて切除した場合、声が出なくなります。この場合、胃にためた空気を口から出すときに出る音を利用する「食道発声」や、特殊な機器「人工喉頭」などをのどに密着させて会話することになります。咽頭の粘膜を多く切除した場合、小腸の粘膜を移植する必要があり、体の負担はさらに増えることになります。
早期に発見できれば、のどの機能を温存できるため、不自然な声がれや、のどの違和感が1か月以上続くようであれば、受診してみましょう。
健康チェックをしてみませんか
体の不調は、痛みや動きにでます。運動器疾患も、内科的な疾患も気になるところです。体を動かして、どこかに「痛み」や「左右の動きの差」がないか調べてみましょう。
こんなチェック方法もありますよ。
─足の裏の "タコ" チェック!─
足には、さまざまなツボがありますが、その中でも代表的なのが、胃です。足の人差し指の付け根からつま先に "タコ" ができます。小指にできるタコは腎臓や膀胱、親指にできるタコは脾臓や肝臓とも言われますが、履物が悪い場合や、歩き方が悪い場合にもタコができます。
─メガネをチェック!─
眼精疲労が原因の症状は、高血圧、頭痛、眼の芯が痛む、まぶしい、肩こり、胃痛、本を読みたくないなど様々です。その多くは、メガネの不具合によるものです。
◆メガネが曲がっている
(縦横から見て、メガネのツルが開いている...、
レンズが左右でズレている...)
◆メガネのレンズに傷
(傷を通してみるので眼が疲れる)
◆遠近両用メガネ
(基本的に、遠近がコロコロ変わるように目はできていない)
◆メガネの度が合っていない
(目が悪くなったのに気付かずに古いメガネをかけている)
◆メガネがずり落ちる
(鼻あての部分が変形し広がっている、など)
ちょっとしたことが、からだの不調につながることがあります。
思いあたったら、できることから改善しましょう。
冷え・肩こりに ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の仲間の水溶性ビタミンで、糖質、脂質、タンパク質からエネルギーをつくりだすのに欠かせません。
エネルギー不足は冷えの原因になります。冷えや肩こりは、血液循環が低下し、体のすみずみまで十分に血液が行き届かなかったり、筋肉に疲労物質が溜まることによって起こります。
ナイアシンには血行をよくするはたらきもあり、冷え・肩こりを改善する作用があります。
では、おすすめの食材は...
◆たらこ
すけとうだらの卵巣で、ナイアシン豊富な魚介類のなかでも、含有量はトップクラスです。ナイアシンが働くために必要となる、ビタミンB1・B2・B6も比較的多く含まれ、同時にとれるのが利点です。
◆なまり節
かつおをゆでて半乾燥させた なまり節には、ナイアシンのほか、鉄やカルシウムなど不足しがちな栄養素が含まれています。低カロリーなので、生活習慣病予防やダイエットにも役立てたいです。野菜と合わせて煮物におすすめです。
◆まぐろ
ナイアシンのほか、タンパク質、ビタミンD・E、DHAなどを含む栄養豊富な食材です。刺身が代表的ですが、ねぎまやステーキなども美味です。もっともナイアシンの豊富なびんながまぐろは、缶詰めに加工されることが多いです。
─食べ方ひとつで効果倍増─
手軽な補給でナイアシン不足を解消...
じつは
ナイアシンは体内でも、必須アミノ酸のトリプトファンから合成されます。魚やレバーなどは、ナイアシンの原料となるトリプトファンも、ナイアシンそのものも豊富です。
さらに
手軽にとれてナイアシンを多く含む意外な食材に、インスタントコーヒーがあります。冷えやこりの改善に、温かいインスタントコーヒーはいかがですか。
ちなみに
ナイアシンには、二日酔いの原因になるアセトアルデヒドを分解するはたらきがあります。お酒を飲むとナイアシンが消費されます。不足しないよう、おつまみで補給をしましょう。
風邪予防に β-カロテン
β-カロテンは赤や黄、緑色などの緑黄色野菜に豊富に含まれる植物の色素です。からだのなかでビタミンAに変わり、鼻やのど、呼吸器の粘膜を丈夫にし、細菌やウイルスの感染から体を守ります。免疫力を高める働きもあり、風邪の予防に効果大です。
日ごろから緑黄色野菜をしっかりと食べ、抵抗力を高めましょう。また、β-カロテンには強力な抗酸化作用もあり、ガン予防に役立つと注目されています。
では、おすすめの食材は...
◆モロヘイヤ
β-カロテンはもちろん、ビタミンB群やC,カルシウム、鉄、食物せんいが、どれもすぐれて豊富な、注目の健康野菜です。中東地域では古代から食用とされ、クレオパトラも好んだといわれています。
◆にんじん
カロテンという名前のもとは、にんじんの英語名キャロットで、β-カロテン豊富な代表的緑黄色野菜です。β-カロテンは皮の部分に多いので、できるだけ皮をいかして調理を心がけるとよいです。
◆春菊
β-カロテン、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウムや鉄も多く含まれ、独特の香り成分は胃腸のはたらきを高めます。冬の鍋物の定番青菜で、あえものにも向きます。最近出回っているやわらかい春菊はサラダにしてもおいしいです。
─食べ方ひとつで効果倍増─
油で調理すれば吸収率がアップ...
じつは
β-カロテンは脂溶性なので、油を使って調理すると吸収率が上がります。にんじんを例にとると、生の吸収率は10%、ゆでると47%、油で炒めると80%になります。
さらに
ビタミンC、Eを一緒にとると効果的なサイクルができます。ビタミンEがβ-カロテンを、β-カロテンがビタミンCを補い、抗酸化作用を強化するのです。
ちなみに
β-カロテンは必要量だけがビタミンAに変わるので、とり過ぎの心配はありません。体内に蓄積されたβ-カロテンそのものにも、免疫強化に役立つはたらきがあります。
アレルギーに ビタミンB6
ビタミンB6には、体の免疫機能を正常に保つはたらきがあります。アレルギーは異物から体を守るための免疫機能が過剰にはたらいて起こるので、ビタミンB6をとるとアレルギー症状の抑制に役立つのです。
また、ビタミンB6はタンパク質をアミノ酸に分解し、からだに必要なタンパク質へと再合成するのに欠かせないビタミンです。タンパク質を多くとる人は不足しないよう、特に注意しましょう。
では、おすすめの食材は...
◆さんま
ビタミンB群が豊富で、B6のほか、貧血予防に効果的なB12が多いのが特徴です。脂の乗ったさんまには、コレステロールを低下させるEPA、脳を活性化させるDHAもたっぷり含まれています。
◆バナナ
糖質も多く含まれ、ビタミンB6のほか、ビタミンB2、ビタミンA、カリウム、食物せんいであるペクチン、疲労回復を助けるクエン酸も含みます。手軽な栄養補給原として、子どもや高齢者、スポーツ選手にも適しています。
◆鶏ささみ
ビタミンB6やナイアシンをはじめとするビタミンB群やビタミンAが豊富です。タンパク質が多く、脂質をほとんど含まない、高栄養・低カロリー食材なので、蒸したり、ゆでたりの調理法でダイエットにもおすすめです。
─食べ方ひとつで効果倍増─
とり溜めはできないので、毎日補給を...
じつは
ビタミンB6がはたらくためには、ビタミンB2が必要です。小麦胚芽やスキムミルクは両方を含むので、胚芽パン、スキムミルクのカフェオレ、バナナなどを組み合わせた朝食は理想的です。
さらに
ビタミンB6は腸内細菌によって合成されることもあり、欠乏症は起こりにくいのですが、体に蓄積できないので、毎日とるように心がけましょう。
ちなみに
イライラや腰痛などの月経前症候群や、妊娠初期のつわりの症状、また、脂肪肝の予防にも、ビタミンB6が役立ちます。女性やお酒好きの人は多めに補給をしましょう。
イライラ・不眠に カゼイン
カゼインは牛乳のタンパク質の約80%をしめる良質のタンパク質で、カゼインが体内で分解されてできるペプチドには、精神を鎮めるはたらきがあります。
また、ペプチドの一種カゼインホスホペプチド(CPP)は、カルシウムの吸収を助けます。
乳製品に豊富なカゼインとカルシウムは神経の興奮や緊張をほぐし、気分を落ち着かせるので、自然な眠りを誘うのにも効果的です。
では、おすすめの食材は...
◆牛乳
牛乳はアミノ酸の組成にすぐれた良質のタンパク質、消化のよい乳化脂肪や乳糖、ビタミンB2、リンなどのミネラルが豊富な、バランスのとれた栄養食品です。特にカルシウムが非常に多く、吸収されやすいのが特徴です。精神安定、疲労回復、老化防止などにも効果的です。
◆ヨーグルト
牛乳や脱脂乳に乳酸菌を加えた発酵食品で、プレーン、加糖、果肉入り、液状タイプなどがあります。ヨーグルトはカゼイン、カルシウムの吸収率が高いです。乳酸菌が腸内の善玉菌を増やして、腸の健康をたもち、免疫機能を高めます。老化防止や美容効果も期待できます。
◆カッテージチーズ
カッテージチーズは、おもに脱脂乳からつくられる熟成させない低カロリーのフレッシュチーズで、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、牛乳の栄養が凝縮されています。軽い酸味のある淡白な味は、サラダ、サンドイッチ、お菓子などに向きます。
─食べ方ひとつで効果倍増─
牛乳より効率のよい チーズ、ヨーグルト...
じつは
酵素や乳酸の働きで牛乳のカゼインを固めたチーズは、牛乳の栄養が凝縮された栄養価の高い食品です。30gで牛乳200ml分のカルシウムがとれます。
さらに
ヨーグルトはカゼインが固まっていて、牛乳より吸収されやすい食品です。カルシウムの吸収率も牛乳より高くなっています。
ちなみに
牛乳でおなかがゴロゴロする人は、牛乳の炭水化物、乳糖がうまく分解できない体質です。温めたものを少しずつ飲むか、乳糖が変化したチーズやヨーグルトなら安心です。
紫外線予防に ビタミンE
ビタミンEは強力な抗酸化作用で、細胞の老化を防いでくれるビタミンです。
肌の老化の最大の原因は紫外線です。活性酸素を生成し細胞を酸化させ、シミ、シワ、たるみなどを引き起こしますが、細胞膜のなかにあるビタミンEは酸化から細胞を守り、血行を促進し肌を健康に保つはたらきをします。日差しが強さを増す春から、ビタミンEを十分にとり、紫外線対策を心がけましょう。
では、おすすめの食材は...
◆かぼちゃ
かぼちゃは野菜のなかでトップクラスのビタミンE含有量をほこり、ビタミンC、β-カロテンも豊富で、強力な抗酸化食材です。一度にたくさん食べられるので、ビタミン補給におすすめです。
◆にじます
ビタミンEは脂溶性なので、脂の乗った魚に多いのです。比較的淡白でダイエットにもよい淡水養殖のものより、海面養殖のほうがビタミンEは豊富です。吸収率を高めるには、ムニエルなど油を使った調理法でいただきましょう。
◆植物油
種子類にはビタミンEが豊富で、種実からとった植物油にもビタミンEは多く含まれます。ひまわり油をトップに、綿実油、サフラワー油、米ぬか油、コーン油などがあります。ただし、カロリーが高いので、とり過ぎには注意をしてください。
─食べ方ひととで効果倍増─
ビタミンCを合わせて、ビタミンEのはたらきを強化...
じつは
ビタミンEは活性酸素が多量になると、処理しきれなくなります。そのとき役立つのがビタミンCです。ビタミンEを再生させ、抗酸化作用を高めます。
さらに
肌の健康にはスムーズな血行も大切です。からだを温めるアりシンやカプサイシンを合わせてとると、血行促進効果がアップします。にんにくやとうがらしを料理に用いましょう。
ちなみに
種実からとった植物油には、ビタミンEが豊富です。ただし、植物油は酸化されやすいので長期保存は避け、特に加熱した油は早く使い切るようにします。
便秘 予防・改善に オリゴ糖
オリゴ糖は糖質の一種で、約20種類ありますが、その多くは胃や小腸では消化されずに、大腸に到達して腸内のビフィズス菌など、善玉菌の栄養源になります。
その結果、善玉菌が増えて発ガン物質や悪臭のもとになる悪玉菌の増殖がおさえられ、腸内環境を整えるのに力を発揮します。
整腸作用のあるビフィズス菌は、便秘の予防や改善に役立ち、免疫力を高める効果も期待できます。
では、おすすめの食材は...
◆たまねぎ
たまねぎに火をとおすと、かなり強い甘みが出ますが、この甘みがフラクトオリゴ糖です。古いと分解がすすむため、新鮮なものがおすすめです。バナナ、にんじん、ごぼうなどにも含まれています。これらの野菜には食物せんいも多く、便秘解消に効果的です。
◆はちみつ
はちみつに含まれるのはイソマルトオリゴ糖で、みそやしょうゆの甘みもこの成分です。熱や酸に強く、うまみとコクが特徴です。はちみつのカロリーは砂糖の約80%、甘みは2倍なので、カロリーを抑えるのに役立ちます。防腐性があり、食品の長期保存に向いています。
◆大豆
豆腐や湯葉(ゆば)、きな粉の甘みは、熟成した大豆に含まれる大豆オリゴ糖によるものです。エネルギーは砂糖の約二分の一です。さわやかな甘みが特徴ですが、大豆を発酵させた納豆、みそ、しょうゆや枝豆、もやしには、このオリゴ糖はありません。
─食べ方ひとつで効果倍増─
ヨーグルトと組み合わせて腸を健康に...
じつは
オリゴ糖は野菜や果物などに含まれています。いろいろな食品からとるのが望ましいですが、特定保健用食品として販売されている甘味料も利用できます。
さらに
ビフィズス菌を生きたまま腸内に届けるプロバイオティクス乳酸菌のヨーグルトとオリゴ糖を組み合わせれば、腸の健康に効果的です。
ちなみに
オリゴ糖類はノンカロリーではありませんが、砂糖に比べ一般的に低カロリーで、ダイエット向きの甘味料です。虫歯菌に分解されにくいため、虫歯予防効果も認められます。
老化予防に核酸
核酸は生物の細胞内に必ず存在して遺伝子を担当し、新しい細胞の生成と、傷ついた細胞の修復に欠かせない物質です。
人間の体には約60兆個の細胞があり、つねに新しく生まれ変わっていますが、この働きがとどこおると老化が進みます。
核酸は若いうちは肝臓で合成されますが、加齢とともに合成能力がおとろえてきます。細胞を若返らせ老化を遅らせるには、核酸の補給が有効です。
では、おすすめの食材は...
◆白子(しらこ)
魚の精巣や卵巣のように細胞数の多い食品には、核酸が多く含まれています。ふぐ、たらなどの白子(精巣)は核酸の宝庫です。もっとも核酸の多いさけの白子は、サプリメントに利用されることが多いです。
◆煮干し
煮干しの原料であるいわしは核酸を多く含み、核酸の吸収を助けるビタミンEなどの栄養素も豊富です。いわしをしっかり乾燥させた煮干しは、なまのいわしの100倍以上の核酸を含んでいます。
◆カキ(牡蠣)
カキやハマグリなどの貝は、比較的核酸をふくむ食材で、核酸の働きを助ける亜鉛も多くふくまれています。スモークオイル漬けや、水煮にした缶詰のほうが、なまのものより100グラムあたりの核酸の含有量はふえます。
─食べ方ひとつで効果倍増─
ビタミンとあわせてとり、細胞を健康に...
じつは
抗酸化ビタミンであるCやEには、活性酸素を除去して細胞が傷つくのを防ぐ働きがあります。合わせてとれば、細胞を修復する核酸のはたらきを助けます。
さらに
ビタミンB群は、細胞をつくるタンパク質の代謝に欠かせない栄養素で、細胞の成長を促します。核酸とビタミンB群を同時にとり、細胞の生成、修復作用を高めましょう。
ちなみに
細胞の修復にはたらく核酸は、ガンの予防や改善、脳や心臓・肝臓・腎臓などの機能維持、ニキビや日焼けでダメージをうけた肌の回復にも効果があります。
疲れ・だるさ にビタミンB1
ビタミンB1はご飯やパン、砂糖などの糖質を分解してエネルギーに変えるために、欠かせない働きをしています。
ビタミンB1が不足すると糖質が分解されないため、体内に疲労物質の乳酸がたまり、疲れやだるさを感じるようになります。脳や神経組織のエネルギーも不足し、イライラや怒りっぽさの原因にもなります。
最近、疲れやすいなと思ったら、ビタミンB1の多い食品をとるようにしましょう。
では、おすすめの食材は...
◆豚肉
豚肉はビタミンB1の補給源としてすぐれ、疲労回復効果の高い食品です。B1は赤肉の多いヒレ肉やもも肉に豊富で、同じ豚肉でもバラ肉の2倍近くあります。また牛もも肉と比べ、豚もも肉は約10倍ものビタミンB1含有量を含みます。
◆ライ麦パン
米や小麦、ライ麦など穀物の胚芽部分には、ビタミンB1が豊富に含まれるので、主食を胚芽米、全粒粉のパンにすれば、日常的に補給できます。ライ麦はB1の含有量が多く、全粒粉の黒パンもおすすめです。
◆ごま
ごまはビタミン、ミネラルが豊富な、栄養価の高い食品で、とくにビタミンB1とEが多く、ゴマリグナンという特有の強力な抗酸化成分も含みます。とる量は少なくても、こまめに利用したい食材です。
─食べ方ひとつで効果倍増─
硫化アリルやクエン酸を合わせれば元気いっぱい...
じつは<br />にんにくなどに含まれる硫化アリルは、ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復効果作用もあります。B1は硫化アリルと結合すると長時間血中にとどまり、糖質の分解を促します。
さらに
体にたまった疲労物質、乳酸の分解にはビタミンB1と同時にクエン酸が必要です。豚カツにレモン、酢豚など、豚肉料理に酸味を合わせるのが効果的です。
ちなみに
ビタミンB群の多くは、エネルギー生成や疲労物質の分解に連携してかかわっています。B群をバランスよく含む胚芽米や、レバー、豚肉、大豆などをとりましょう。
肌荒れ・かさつき にコラーゲン
コラーゲンは体を構成するタンパク質の三分の一をしめ、細胞と細胞をつなぐ役割を果たしています。
とくに皮膚では、水分を除いた組織の約70%がコラーゲンで、酸素や栄養を補給し、老廃物を取り除く経路をつくり、みずみずしくハリのある柔軟な肌を保つために欠かせない存在となっています。
水分量が減少してカサカサと荒れるのは、肌の老化現象です。コラーゲンを十分に補いましょう。
では、おすすめの食材は...
◆かれい
かれいの煮付けの煮汁が、冷えると"煮こごり"になるのは、コラーゲンが溶けだし、ゼラチンとなって固まるためです。コラーゲンのもっとも多い"えんがわ"や"皮"、"煮汁"も残さず食べるようにしたいですね。
◆鶏手羽先
鶏の翼部分にあたる鶏手羽はコラーゲン豊富な部位ですが、皮や軟骨の多い鶏手羽先は、特にたっぷりとコラーゲンを含みます。スープやシチューなど、じっくり煮込んでコラーゲンを溶かし出す調理法がおすすめです。
◆牛すじ肉
牛すじ肉は牛のアキレス腱で、コラーゲンを多量に含んでいます。コラーゲンは繊維状の硬いタンパク質ですが、長時間熱を加えるとゼラチン状に変化します。煮込むと肉はやわらかくなり、煮汁は冷やすと"煮こごり"になります。
─食べ方ひとつで効果倍増─
ビタミンCがコラーゲンの合成を助ける...
じつは
コラーゲンの合成にはビタミンCが欠かせません。ビタミンCの豊富なブロッコリー、ピーマン、かぼちゃなど、緑黄色野菜を一緒にとりましょう。
さらに
コラーゲンは時間をかけて煮込むと、ゼラチンとなって煮汁に溶けだしますから、これを煮汁ごとすべて食べるのが、コラーゲンを上手にとる方法です。
ちなみに
皮や骨、軟骨部分を煮込むと、アクや油が浮いてきますので、ていねいに取り除きましょう。コラーゲンは汁に溶け込むので、アク取りでなくなることはありません。
関節の痛みにコンドロイチン硫酸
コンドロイチン硫酸は、食物せんいの一種でねばねばした物質です。
軟骨、皮膚、血管壁、眼球、各臓器などに保水性、弾力性をもたらし、関節や靱帯(じんたい)などのなめらかな働きを保つためにも欠かせません。いわば体の潤滑油として重要な働きをしているわけです。
加齢によって体内のコンドロイチン硫酸が不足してくると、関節に痛みが起こります。食物からの十分な補給を心がけたいものです。
では、おすすめの食材は...
◆納豆
ネバネバ食品である納豆には、コンドロイチン硫酸が含まれています。その他、ビタミンB2・E・K 、納豆菌の作用でつくられた特有の成分であるナットウキナーゼなどの働きにより、血栓の予防や滋養強壮に大きな効果を示します。
◆オクラ
オクラを刻むとネバネバと糸を引きます。このネバネバは主に水溶性食物せんいのペクチンと、ムチンという糖タンパク質ですが、コンドロイチン硫酸も含まれています。また、オクラはビタミンCやカロテンも豊富な健康食材です。栄養素を失わないよう生食がおすすめです。
◆スッポン
コンドロイチン硫酸は、動物性のもののほうが植物性より効果が高いといわれています。動物ではスッポン、フカヒレなどに含まれています。サメや牛の軟骨からできたサプリメントもありますが、スッポンスープの缶詰が市販されているので、スープや雑炊に利用するとよいです。
─食べ方ひとつで効果倍増─
関節痛にはコラーゲン、グルコサミンも有効...
じつは
コンドロイチン硫酸と共に、細胞に保水性や弾力性を与えているのがコラーゲンです。関節のクッション役の軟骨にはコラーゲンが多く、関節痛改善にはコラーゲンも必要です。
さらに
ブドウ糖から合成されるアミノ酸の一種グルコサミンは、軟骨にあって、動きをなめらかにしています。関節の痛みには、グルコサミンも合わせてとると理想的です。
ちなみに
コンドロイチン硫酸もグルコサミンも、若いうちは体内で必要量が合成されますが、加齢と共に不足します。関節痛の改善には食物からの摂取が効果的です。
生活習慣病予防にアスタキサンチン
アスタキサンチンは鮭(さけ)、いくら、えびなどに含まれるカロテノイドの一種の赤い色素で、β-カロテンの100倍ともいわれる強い抗酸化作用を持っています。
体内で発生した活性酸素は、強い酸化力でタンパク質や脂質、DNAなどを酸化させ、動脈硬化などの生活習慣病やガン、老化を引き起こす元凶ですが、アスタキサンチンは、その活性酸素を抑制するのに力を発揮します。
では、おすすめの食材は...
◆鮭(さけ)
鮭はもともと白身魚で、身の赤い色は、アスタキサンチンの色です。抗酸化力のあるビタミンEも含み、脂肪分はEPAやDHAが中心で生活習慣病予防に適しています。鮭はおかずの定番である身近な食材なので、こまめに食卓にとりいれましょう。
◆えび
赤い色が美しいえびもアスタキサンチンを含みます。高タンパク、低脂肪で、糖質はゼロです。独特のうま味があり、人気の食材ですね。動脈硬化を予防し、肝機能を高めるタウリン、免疫力を活性化する殻のキチン質(食物せんい)にも注目しましょう。
◆イクラ
抗酸化力のあるアスタキサンチン、ビタミンEのほか、A・B1・B2・B12・Dなどが豊富です。ただし、塩分、コレステロールが多いので、塩分の排出をうながすカリウムや水溶性食物せんいを含む、ごぼうなどと一緒にとるとよいです。
─食べ方ひとつで効果倍増─
油で調理して吸収率アップ...
じつは
アスタキサンチンは植物由来の赤いカロテノイド、藻類をプランクトンが食べ、そのプランクトンを鮭(さけ)やえびが食べることで、赤い色が蓄積されます。
さらに
アスタキサンチンはβ-カロテンと同様、脂溶性なので、油と一緒にとると吸収率が高まります。炒める、揚げるなど油をつかった調理が効果的です。
ちなみに
鮭やえびのほか、きんめだいやあこうだいの赤い皮、かになどにもアスタキサンチンが含まれます。小さなえびなどは、殻ごと食べるのがおすすめです。
高血圧にアルギン酸
アルギン酸は海藻のヌルヌル成分に含まれる水溶性の食物せんいで、カリウムと結合した状態になっています。
アルギン酸カリウムは、胃の中に入ると胃酸の影響を受けて分離し、カリウムだけが腸で吸収され、残ったアルギン酸は小腸でナトリウムと結合して、そのまま排出されます。
高血圧の原因となるナトリウムを追い出し、血圧を下げるカリウムを吸収するため、ダブル効果で高血圧を改善する働きがあります。
では、おすすめの食材は...
◆わかめ
わかめのぬめりはアルギン酸。そのほか血圧を下げるヨードやカリウムも多く、食べやすいという条件も重なって、高血圧予防には絶好の食材です。コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する働きもあります。酢の物や酢みそあえで効果もアップします。
◆昆布
昆布の特徴は食物せんいのアルギン酸やフコイダン、ミネラルやヨードの豊富さです。アルギン酸、カリウム、ヨードのいずれも高血圧改善に役立ちます。血圧を下げ、肝機能向上や血栓を予防する効果もあります。
◆もずく
アルギン酸やフコイダンは、わかめや昆布などの褐藻類特有の水溶性食物せんいで、もずくにも豊富に含まれています。沖縄の特産品として知られるもずくは、ぬめりをいかした酢の物や汁物でいただきましょう。市販のもずく酢で、一日一パックが食べる量の目安です。
─食べ方ひとつで効果倍増─
栄養分をむだなくとる利用法は...
じつは
昆布だしには、水溶性食物せんい、うまみ成分などが溶けだしています。だしをとったあとの昆布にも食物せんいが多く残っているので、煮物などにして使い切りましょう。
さらに
海藻には、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなどのミネラルも豊富です。カロリーが低く、水溶性食物せんいには肥満を防ぐはたらきもあるため、ダイエットにも最適です。
ちなみに
海藻の塩抜きをしたり、乾燥品を戻すときは、長時間水につけ過ぎないように注意しましょう。だいじな水溶性の食物せんいやビタミン類が水に溶けだしてしまいます。
脳への効果 指運動より大
よくかむことは身体の健康保持に役立つだけでなく、脳を活性化する効果もある。
「細かい手作業は、認知症防止に役立つ」といわれるが、日本歯科大教授の小林義典さんによると、指の運動よりも咀嚼(そしゃく)の方が脳を活性化する効果は大きいという。小林さんらが、硬さが違う4種類のグミゼリーを咀嚼した時の脳血流量を調べたところ、硬いものほど血流量が多くなった。
そしゃく力低下と認知機能の関連を示す研究もある。東北大の研究では、70歳以上の高齢者1167人の認知機能と歯の本数の関係を調べた。認知機能が正常なグループは歯の平均本数が14・9本だったのに対し、軽度の認知障害の疑いがあるグループは13・2本、認知症の疑いがあるグループは9・4本と少なかった。
ネズミの歯を抜くと学習や記憶能力が低下するという動物実験もあり、人でもそしゃく力の低下が認知機能に影響を与えている可能性がある。
そのほか、ガムをかむことで学生のテスト成績が向上したという実験や、幼稚園児の知能指数と咀嚼の仕方に相関があったとの報告もある。
カナダの脳外科医ペンフィールドが、大脳皮質の場所と体の部位との対応を調べて作った有名な脳機能地図がある。歯やあご、唇、舌など口周辺の機能に関連する大脳皮質面積が全体の4割近くを占めており、かむことが脳に及ぼす影響の大きさが容易に想像できる。
小林さんは「歯ごたえがあるものを食べることが、脳の活性化につながる」と話す。
(2008年12月12日 読売新聞)
運動の継続で健康に...
1日の身体活動量の最も多かったグループでは最も少なかったグループに比べて男性で13%、女性で16%ほどがんのリスクが低下しているそうです。肥満の割合が多い欧米での研究に限らず、もともと太っているわけではない人の多い日本人のような集団でも、やはり運動にはがん予防効果があるという結果です。そして、狭い意味の運動(エクササイズやスポーツ)というよりも、むしろ日常の身体活動量を増やすことにがん予防の可能性が見いだされたということです。
運動については、インスリン抵抗性改善による特定のがん予防のメカニズムがある程度はっきりと示されていることや、世界中の疫学研究で同様の結果が示されていることもあり、がん予防効果は確実であるとされています。
では、がん予防のために運動するとすれば、どの程度の強さや時間を目安にすれば良いのでしょうか。
まず"日常生活の中で活動的になる"ことが勧められます。具体的に、
▼ 中程度の身体活動(速歩き相当)を仕事や移動、家事、レジャーなどに組み込み、毎日少なくとも30分は行う。
▼ 運動に慣れてきたら、時間や強度を増すとさらに利益が期待できるので、中等度の身体活動を毎日少なくとも60分、またはもっと激しい運動を少なくとも30分行う。
▼ テレビを見る習慣など、座っていることになる時間を制限する。
のがよいようです。
肝心なのは定期的な運動の継続です。
例えば、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動をする、週に1回程度は汗をかくような運動をする、などがよいでしょう。もちろん、仕事などで普段から相当なエネルギーを消費しているような人は、さらに運動を加える必要はありません。
総合的な健康のためにも、身体活動量を増やすことには効果があると思います。
診察室では、もっと賢い患者になりましょう
患者とドクターではイメージする内容が異なることがあります。
「よく効く抗がん剤」と言われた場合、患者の多くは「8~9割の確率でがんは消える」ことを期待しますが、抗がん剤の多くは「3割程度で少し小さくなる」ことがドクターの常識だそうです。
さらに、患者は体調が悪かったり、緊張していたりするだけで、集中力が落ちます。診察室という異空間に身を置くだけで、ドクターの説明の意味が理解できなかったり、高圧的に対応されると不安が高まったりしてしまいます。
診察室での患者側の問題点は...
(1)質問できない ...
▼どう聞けばいいかわからない。...
▼質問するタイミングがわからない。 ...
▼質問の言葉をさしはさめない。 ...
▼わかっていないことに気づかず聞き逃してしまう。 ...
(2)思い込む ...
▼十分理解できていないのに、わかったつもりやわかったフリをする。 ...
▼病名や原因を自分で決めつける。 ...
▼期待に添わないマイナスのことが起きればミスと決めてかかる。 ...
(3)理解できない ...
▼予備知識がない。 ...
▼専門用語がわからない。 ...
(4)伝え方に問題がある ...
▼ポイントを絞って話せない。 ...
▼一方的に長々と話す。 ...
▼感情が先走ってしまう。 ...
などです。これらの問題点を解消するには、患者側にも努力が必要です。
どのような努力をしたらいいのでしょうか。
1.病気になった事実を受け止め自覚する
2.どんな医療を受けたいかを考える
3.自分の考えを言語化して伝える
4.医療者と一緒に歩むためにコミュニケーション能力を高める
5.一人で悩まずに相談する
6.そのうえで自己決定する
などです。
NPOささえあい医療人権センターCOMLが提唱している医療を受ける際の心構えがあります。ぜひ、10カ条を実践してみてください。皆さん、賢い患者になりましょう!!
新・医者にかかる10カ条
あなたが"いのちの主人公・からだの責任者"
(1)伝えたいことはメモして準備
(2)対話の始まりはあいさつから
(3)よりよい関係づくりはあなたにも責任が
(4)自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
(5)これからの見通しを聞きましょう
(6)その後の変化も伝える努力を
(7)大事なことはメモをとって確認
(8)納得できないときは何度でも質問を
(9)医療にも不確実なことや限界がある
(10)治療方法を決めるのはあなたです
「繰り返し断食」いきいき長寿? 遺伝子のおかげです
長生きしたいならカロリー制限を――。さまざまな動物で確認されてきたが、カロリー総量は減らなくても、飢えを繰り返し経験すると寿命が延びることを、京都大の西田栄介教授(細胞生物学)らのチームが線虫の実験で見つけた。この仕組みにかかわる遺伝子も突き止め、14日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
線虫は、長さ1ミリほどで寿命は25日ほど。チームは、エサを減らしてカロリー制限をすると、約1.2倍、寿命が延びることを確認。一方、2日ごとに2日間断食をさせて断続的に飢えさせると、寿命は1.5倍も延び、しかも活発に動いていることを見つけた。
断食させた線虫で寿命が延びるときには、Rhebという遺伝子が働いていることも発見。一方、この遺伝子は、自由に摂食できるときには、寿命を抑える働きをする可能性も示された。これは、食事制限と寿命延長を結びつける仕組みが複数あり、この遺伝子はそのうち三つに影響するためとチームは推定した。
食事制限には、がんや糖尿病など老化にかかわる病気を抑えるという報告もある。この遺伝子はヒトももっており、西田教授は「2型糖尿病など、老化にかかわる疾患の発症を遅らせることができるかもしれない」と話している。(木村俊介)
(朝日新聞 2008年12月15日)
とても興味深い報告ですね。
断食して、スッキリ健康になった気分...経験したことありますか?
副腎皮質ステロイドの副作用
膠原病や悪性リンパ腫などで行なわれる副腎皮質ステロイドの大量点滴「パルス療法」で、さまざまな恐ろしい副作用に苦しまされるのは致し方ないとされています。それはとてもつらいものです。
ホルモンというのは生命維持になくてはならない大切なものです。しかも、これは脳下垂体、副腎、甲状腺、胸腺、卵巣など種々の内分泌腺が密接に連係し、微妙に作用し合いながら、精巧なバランスをたもって成り立っています。
そこへ、副腎ホルモンである副腎皮質ステロイドを大量に人工的に投与するわけですから、ホルモン系全体のバランスがくずれて、副作用としてさまざまな苦痛がでるのです。
抗ガン剤の場合の副作用についてみてみると、「副作用がでないのは抗ガン剤が効いていないのかな?」と、担当医が首をかしげるくらい、その激しい副作用は当たり前のものとなっています。だから一般の人でも、とても恐れているのです。
しかも、抗ガン剤は白血病や悪性リンパ腫などには相当な有効性を発揮していますが、各内臓の固形ガンとなると、その有効率はずっと落ちるという弱点もあります。
もしもその苦しい副作用さえなければ?安心して最新の医学に頼れますよね。
飲食店でたばこ「不快」67%
外食の際に他人のたばこの煙で不快な思いをした経験がある人は、喫煙者を含む67%にのぼり、うち63%は「その店には二度と行かない」と答えた。
製薬会社のファイザーが10月、インターネットを通じ、週1回以上、飲食店を利用する人にアンケートし、喫煙者、非喫煙者同数の計800人の回答をまとめた。
不快な経験があると答えた人は非喫煙者では88%、喫煙者でも47%いた。「においや煙が自分につく」(53%)、「料理ににおいや煙がつく」(22%)、「健康への害」(19%)などの理由が多かった。
不快な経験をした人の78%が、分煙を掲げた店の禁煙席を利用していたにもかかわらず、煙の害にあっていた。受動喫煙の害に詳しい大和浩・産業医大教授は「完全な分煙というのはありえない。飲食店は全面禁煙が、日本を除く先進国ではもはや常識だ」と話す。
(2008年12月12日 読売新聞)
そうですよね。『たばこ』ってほんとうに『不快』ですよね。
私も、『全面禁煙』に賛成です。
お酒とがんの関係
◇喫煙重なるとリスク上昇
この時期は、忘年会や新年会でお酒を飲む方が多いと思います。お酒とがんの関係を考えてみましょう。
アルコールは、口の中やのど、食道の粘膜に直接影響を与えるほか、肝臓にも負担をかけるため、口腔(こうくう)がん、咽頭(いんとう)がん、喉頭(こうとう)がん、食道がん、肝臓がんなどの原因となります。こうしたがんは「アルコール関連がん」と呼ばれます。
全国の7万人以上の人を10年間追跡した厚生労働省の研究によると、日本酒で1日平均2合以上3合未満を飲む男性ではがんになるリスクが1・4倍、1日平均3合以上のグループでは1・6倍になりました。
日本酒1合はビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(240ミリリットル)、ウイスキーダブルでは1杯に相当します。1日2合以上のお酒を飲むことによって、がん全体の13%が生まれる計算になります。
特に、飲酒と喫煙が重なると危険は一気に高まります。たばこを吸う男性だけにかぎると、1日平均2~3合のグループでは1・9倍、1日平均3合以上のグループでは2・3倍も、がんができるリスクが高くなりました。
大腸がんでは、1日平均2合以上のお酒を飲み、たばこを吸う男性の場合、お酒もたばこもとらない人に比べ発生率が3倍になります。もし、お酒もたばこも世の中からなくなったら、男性の大腸がんの約半分がなくなる計算になります。
一方、たばこを吸わない男性は、お酒が増えても、がん全体のリスクは高くなりません。アルコール関連がんは、たばこを吸わなくても、がんができるリスクは上がりますが、アルコール関連がんの患者があまり多くないため、がん全体への影響が少ないのです。
たばこには、自分だけではなく、まわりの人の発がんリスクを高めるという決定的な問題があります。ところが、お酒はちがいます。ワインも日本酒も楽しめるのは、日本に生まれた特権だと思います。もちろん飲み過ぎはいけません。1日2合程度にして、休肝日も作ることです。ではよいクリスマスとお正月を。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)
毎日新聞 2008年12月23日 東京朝刊
たばこが原因で死亡、年間20万人 対策に増税必要?
たばこが原因で病気になり、死亡する人は、年間20万人近くにのぼるとみられることが、厚生労働省研究班(主任研究者=祖父江友孝・国立がんセンター部長)の調査でわかった。研究班は「健康対策として、増税を含めたたばこ対策がもっと必要だ」と指摘している。
国内の四つの疫学調査データを解析した。80~90年代に40~79歳の男女約29万7千人に喫煙習慣などを尋ね、約10年間追跡。2万5700人が死亡していた。喫煙率は男性54%、女性8%。
たばこを吸っていて病気で亡くなるリスクを、吸わない人と比べると、男性では(1)消化性潰瘍(かいよう)(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)7.1倍(2)喉頭(こうとう)がん5.5倍(3)肺がん4.8倍(4)くも膜下出血2.3倍。女性では(1)肺がん3.9倍(2)慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)3.6倍(3)心筋梗塞(こうそく)3倍(4)子宮頸(けい)がん2.3倍などだった。
また、過去に喫煙歴がある人も含めると、男性のうち27.8%、女性の6.7%が、たばこに関連した病気で死亡していた。
こうしたデータをもとに、05年の死亡統計にあてはめて計算すると、年間死亡者108万4千人のうち、たばこ関連の死亡者は男性16万3千人、女性3万3千人。05年時点の喫煙率は男性39%、女性11%のため、たばこに関連した病気になり死亡する人は今後、男性で減り、女性で増えると予想される。
解析の中心となった同センターの片野田耕太・がん対策情報センター研究員は「増税のほか禁煙治療をもっと広めるなど、総合的な対策を進める必要がある」と話している。(田村建二)
(朝日新聞 2008年12月22日)
がんを防ぐための12ヵ条
国立がんセンターでは、がんを防ぐための12ヵ条を提唱しています。
─がんを防ぐための12ヵ条─
1 バランスのとれた栄養をとる
2 毎日、変化のある食生活を
3 食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
4 お酒はほどほどに
5 たばこは吸わないように
6 食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
7 塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから
8 焦げた部分はさける
9 かびの生えたものに注意
10 日光に当たりすぎない
11 適度にスポーツをする
12 体を清潔に
いろいろなミネラル、ビタミンについて
カルシウムというと、骨の成分というイメージがありますが、筋肉や神経、内臓などのあらゆる部分に必要なミネラルです。神経の刺激伝達や各種の酵素の働きにも大切なはたらきをしています。
セレニウムと亜鉛というのは、なかなか摂りにくいミネラルです。抹茶には亜鉛が豊富に入っています。普通の緑茶でもかまいません。抹茶、緑茶にはビタミンCも豊富に含まれています。
セレニウムというミネラルは、最近になって注目を浴びてきたミネラルです。ガンの発生や転移を防いだり、高血圧や動脈硬化の予防に役立つなど、とにかく若返りの効果が大きいことが分かってきました。もちろん、過酸化脂質を取り除くなど、強い抗酸化作用もあります。アメリカでは、セレニウムの摂取量が少ない地方にガンが多いともいわれています。
セレニウムが多い食品は胡麻(ごま)です。胡麻にはビタミンEも含んでいます。日本では、悪いものを良いものに見せかけることを「ごまかす」といいますが、これは、おいしくないものに胡麻をかけたり、胡麻あえにしたりして、おいしくすることから来ているのです。昔の人は、胡麻を使うと惣菜をおいしく食べられるだけでなく、健康にも良いということを知っていたのではないでしょうか。
ビタミンPは、ケルセチンとかケンフェロールとも呼ばれていて、血管の弾力性を保つ作用と、結合組織、いわゆるコラーゲン組織を固くする作用があります。細胞のすき間をきちんと埋めるはたらきです。いってみれば、有害物が侵入しないように城壁、外堀を固める力、抗酸化作用の第二防衛装置ともいうべき作用をもっているのです。ですから、ケルセチンは抗ガン物質のひとつでもあるといわれています。
リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸は、油溶性のビタミンFで、高血圧や動脈硬化の原因となるコレステロールを取り除く作用があります。さらに、細胞の中でアレルギーを起こすような物質を抑制するはたらきを持っています。とくにリノレン酸は、酸化しにくく、生体には力強い助っ人です。
ニコチン酸は、皮膚症状などを治す力があります。名前にニコチンとついていると、毒物のようにも思えますが、タバコのニコチンとは違う物質です。ニコチンは毒ですが、ニコチン酸は体に不可欠な必須ビタミンです。
ビタミンHは、ビオチンとも呼ばれていて、皮膚を強めるはたらきを持っています。ですから、アトピー性皮膚炎などには効果があります。
葉酸は、ビタミンB12とのはたらきで悪性貧血を予防するビタミンだといわれています。
ビタミンAは、欠乏すると体の抵抗力が低下することでわかるように、免疫系に強く関係するビタミンです。
ビタミンDは、骨や歯にカルシウムを沈着させるためには不可欠なビタミンで、カルシウムを有効に活用するのに有益なビタミンです。
抗酸化作用が強いのが、ビタミンCとビタミンEです。このビタミンCとEが活性酸素の害を打ち消して、ガンをはじめ、多くの疾病、老化から私たちを守ってくれるのです。
動物のなかでは、ビタミンC、Eを体内に多くもっている動物ほど長寿であることがわかっていますし、マウスを使った実験でも、ビタミンCやEをたくさん与えたものは、老化が抑制されたり、寿命も大幅に伸びることが明らかにされています。
老化や病気がおこる仕組み
すべての物質のもとになっている分子は、いくつかの原子が組み合わさって構成されており、また原子は、原子核とその周りを回っている電子からなっています。
電子はひとつの軌道にふたつがペアになっているので安定して回っていますが、何らかの理由で、片方の電子が軌道をはずれて飛び出してしまうと、この分子は、たちどころに不安定なものになり、安定を求めて、ほかの分子から電子を奪ったり、逆に自分の電子をよそにあげたりしようとします。
このように、不安定で攻撃的な分子を「フリーラジカル」と呼び、活性酸素の多くがこれにあたります。
活性酸素が近くの分子を攻撃すると、その攻撃された分子も不安定なフリーラジカルに変化して、またそのまわりの分子を攻撃するということを繰り返します。
攻撃されるのが、遺伝をつかさどるDNAや、体の働きを守ってくれる酵素だったとしたら、私たちの体に大きなダメージが引き起こされることは、いうまでもないでしょう。このような仕組みで、老化や病気が起こると考えられているのです。
呼吸によって体に取り入れられた酸素のうち、2%が活性酸素になるといわれています。
ただし、普通に生活する上では、この程度の活性酸素ならば、SOD(スーパーオキシドディセミターゼ)という酵素やその他の酵素が体内の活性酸素を分解して、無害なものに変える働きをしてくれるので問題はありません。
ところが、食べ物・水・タバコなどに含まれている化学物質や紫外線、放射能などが多量に体に入ってくると、通常では処理しきれない量の活性酸素が局部的に発生して、ガンやいろいろな病気になってしまう危険性が高くなるのです。
それ以外にも、スポーツなどで酸素を大量に消費したり、自動車の排気ガスや工場の排煙を吸ったり、お酒を飲み過ぎたりした場合も、同様の危険性が生じてきます。
ですから、今という時代ほど、発ガン物質や活性酸素が体のなかにどんどん入ってきている時代はないのです。ということは、それだけ容赦なく体が活性酸素によって酸化させられ、ガンにかかりやすい環境になってきているということです。
こうした活性酸素からの害をさけるには、酸化を防ぐ、すなわち抗酸化作用のある食べ物、栄養素をとることが大切です。
ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンE、ミネラルのセレニウムなどがこれらの栄養素の代表で、緑黄色野菜に多く含まれているので、こうした野菜を日常生活のなかで、たっぷりととることが必要となってきます。
活性酸素を分解するSODという酵素は、30代を過ぎると働きが弱ってくる為、高齢になるほど緑黄色野菜をつとめて食べることと、プロポリスをとることは、非常に賢明な"対抗策"といえるのではないでしょうか。
代替医療
「代替医療」(オールタナティブ・メディスン)という言葉がようやく日本でも定着してきました。
いわゆる西洋医学の理論にもとづいたものではなく、東洋医学や伝統医療、民間医療などの効果のあるものを用いた治療が代替医療と呼ばれるものです。
" 医療の先進国 "アメリカでは以前からこの代替医療がさかんで、医療の一分野として確率されており、安全性を認められたものは、政府の認可も受けています。
これに対して日本では、代替医療を否定する医師が多く、患者も医師に隠れてこっそり試すような状態が続いてきました。
さまざまな研究結果によって、最近になって代替医療にも陽があたるようになってきたようです。
欧米の先進国において代替医療の利用頻度は急速に増加しているそうです。
1990年代以降に代替医療への関心が高まっており、さらに代替医療の科学的研究に大きく予算が配分され政策として実行されてきました。
1993年、デービッド・アイゼンバーグ博士(ハーバード大学代替医学研究センター所長)は、アメリカ合衆国国民の代替医療の利用状況についての調査報告を発表しました。この調査は、この研究センターが研究している16種類の代替医療に関してのみを調査対象にしています。にもかかわらず、利用状況は医師らの予想をはるかに超えていました。
1990年時点で、これら16種類の代替医療を受けたアメリカ国民は、全国民の34%に達していました。代替医療の機関(治療院、ルーム等)への外来回数はのべ4億2700万回に達しており、この数は、かかりつけ開業医への外来3億3800万回を超えるものだったのです。
当時は保険会社はまだ非西洋医療に保険を適用していなかったので、代替医療の利用者は自分で費用を負担してでも進んで代替医療を利用しようとしていることがわかります。
1997年の調査では、代替医療への外来回数は6億2900万回になり、90年の調査時のおよそ1.5倍に増加しています。
調査前、医師の大半は、「代替医療の利用者は教養のない人たちだろう」と想像していたそうです。ところが調査の結果判明したことは、その反対で、代替医療は大学以上の教育を受けた教育水準の高い人たち(アメリカで言えば中~上級レベルに当たる)に多く支持されているという事実でした。
アメリカでは(現在の日本とは異なり)健康保険の入る入らないは個人の選択であり自由であるので、これは、高学歴で高収入で健康保険に加入している率が高い層が代替医療を支持している、ということも意味しています。
漢方生薬にも見られるフラボノイド
ポリフェノールやフラボノイドが医学的に注目されるようになったのは、比較的最近のことですが、じつは、先人たちは経験的にその薬理効果のことを知っており、何千年も昔から有効に利用してきました。
たとえば、漢方方剤によく使われる葛根(カッコン)、黄芩(オウゴン)、阿仙薬(アセンヤク)、山査子(サンザシ)、ベニバナ、陳皮(チンピ)、エイジツなどは、薬理作用のあるフラボノイドを含む生薬として有名なものです。
そして、フラボノイドの種類によって、その作用もじつに多彩です。
ただし、2000種類以上あるフラボノイド類のすべてにこうした作用が認められているわけではありません。いまのところ、薬理作用が確認されているフラボノイドの種類は限られています。ともかく、漢方生薬をはじめ、世界各地で民間薬として利用されつづけてきたものには、薬理作用のあるフラボノイドを含んだものが多いのです。
階段を利用しましょう
階段をつかうと、より運動効果が上がります。
階段の上り下りには、太ももとふくらはぎの力が大きく関係します。
上るときは、ひざをしっかりと引きあげ、前足の先で着地します。そして後ろ足の力で階段を押して、からだを上に運びましょう。
「階段を上ると、太ももがすぐに疲れてしまう」という人や、下りる時に足がぐらついたり、疲労感や痛みを感じる人は、太ももの筋力が低下していると考えられます。
ただし間接の痛みや炎症がある人は、階段は負担になる場合もありますので注意しましょう。
ふだん小さい歩幅でチョコチョコと歩いたり、小さな段差でもつまずきやすい人は、太ももの筋力を強め、足をしっかり上げる練習をしましょう。ときには高く足を上げて、一段抜かしで階段を上ると太ももの筋肉がきたえられます。
階段の上り下りは、体力アップやカロリー消費を図りたい人にとって最適です。
歩くことも、階段の上り下りも少しずつおこない、慣れてきたら距離や時間を増やしていきましょう。
自分に合う靴を選ぶ
"健康"という観点からも、"靴"は重要な位置を占めています。
足の形は人それぞれなので、本当に合う靴をさがすのは難しいものですね。
でも、自分にぴったり合った靴をみつけると、それだけで腰痛や肩こりなど体の不調が改善されることがあります。
ウォーキング用や普段よく履く靴を買うときは、見た目よりも機能重視で選ぶほうがいいでしょう。
靴を選ぶときは、「夕方に選ぶ」のがいちばんいいのです。
だいたいの人は夕方になると足がむくんで、朝よりもふくらみます。夕方履いてピタリと合う靴を選ぶようにしましょう。
しかし、ピタリといっても親指の部分に少しゆとりのあるものを選んでください。
合う靴をはいて、時間のあるときをみつけて、歩いてみましょう。気分転換にもなりますし、続けているとからだの調子もよくなってくることでしょう。
カルシウムについて
健康を気づかうあなたへ...
今回はカルシウムについて。
体内のカルシウムの99%は骨や歯をつくっていますが、残りの1%は血液中や筋肉、神経などにあり、神経のいらだちをおさえたり、筋肉を収縮させて心臓を規則正しく動かしています。
カルシウムはヒトの生体内には約1kgあるそうです。
厚生労働省は日本人の1日当たりの必要量を700mgと定めています。これはあくまでも最低限です。
欧米では1200mg以上の摂取が推奨されています。
妊娠期の女性はカルシウム吸収量が増加するためカルシウムを普段よりも追加して摂取する必要はないそうです。ただし、いつもきちんとバランスのとれた食事をしていることが肝心です。
脳の活動を促すはたらきがあり、骨の主成分で、人体にも必須の元素であるため、食物を通じて摂取します。
カルシウムが不足すると健康に悪影響があるため、カルシウムを補助するための食品や薬品等も販売されています。
カルシウム補助食品のうたい文句に、「血液中のカルシウム濃度が不足すると精神不安定に陥る」というものがあります。
しかし、血液中のカルシウム濃度が低下すると骨のカルシウムが溶け出し、健康な人では常にほぼ一定に保たれているということです。
よって、カルシウム補助食品をとってイライラが収まるという説は医学的に見て間違いだそうです。
仮にカルシウム不足でいらいらする状態に置かれるとすれば、それ以前に重度の骨粗しょう症になるでしょう。
生石灰(酸化カルシウム)という用途に多用され、古代では建材としてモルタルの製造に用いました。
石灰は食品乾燥剤として非常に身近であり、煎餅(せんべい)や海苔(のり)などの容器の中に封入されています。
ガラガラヘビ毒から「強力」な鎮痛物質...
南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある物質を抽出して合成することに、富山大和漢医薬学総合研究所の紺野勝弘准教授らが成功したそうです。
ラットの実験では効果が3日以上持続し、飲み薬の麻酔に使える可能性があるということで、共同研究する製薬会社を探し、新薬の開発をめざすそうです。
ブラジルに生息するガラガラヘビは、運動神経をまひさせる猛毒で知られています。しかし、かまれても激しい痛みを感じないというのです。
ブラジルでは30年代に、毒を薄めて痛み止め薬として市販されていたらしいです。
紺野さんは、世界的な毒蛇の研究機関として知られるブラジルのブタンタン研究所や富山大で、ガラガラヘビの毒を分析。チームで、アミノ酸が14個つながった化合物が鎮痛物質と突き止めました。
さらに、鎮痛効果を確かめるため、ラットでの実験を行い、モルヒネで同じ効果を出すには、その数百倍の量が必要なことも分かったというのです。すごいですね。
モルヒネは、使う量を増やさないと効き目が悪くなることがあります。一方、このヘビの毒は量を増やさなくても同じ効果が続いたということです。
紺野さんは「飲み薬として使えれば、普及する可能性がある。痛みを抑える仕組みを解明して、薬作りにつなげたい」と話しているそうです。
健康を守る免疫
私たちの体の防御反応について考えてみましょう。
私たちの体は、絶えずたくさんの外敵や内敵にさらされています。その数は10億から1000億といいますから恐ろしいですね。しかし、私たちの体には生まれつき、これらに対抗する防御装置が備わっています。
外部から細菌や有害物が侵入したときや、体内に異物が発生したとき、ヒトは無意識のうちに体に良くないものを『非自己』と認識して、ただちにこれを攻撃し、排除する防衛力を発揮します。
ヒトのまわりには、いつでも無数の細菌やウイルスなどが充満していますが、それにもかかわらず、健全な体が発病せずにすんでいるのは、まさにこうした働きがあるからです。
外敵だけではありません。
体内の内臓や粘膜細胞のいくつかが傷ついたり、古くなったりしてガン化している可能性は考えられますが、それでも発病せずにすんでいるのは、やはり防衛反応が健全にはたらいているからです。
これらを総称して「免疫」といいます。「免疫」とは「疫(病)を免れる(病気にならなくてすむ)」というのが語源です。
メタボリック・シンドロームとは?
「メタボリック・シンドローム」って知ってますか?
よく聞く言葉だけど内容についてよく知らない方もいらっしゃると思います。
日本人の三大死因である 『ガン 』 『脳卒中 』 『心臓病 』 のうち、『脳卒中 』 『心臓病 』 を引き起こす原因は 『動脈硬化 』 で、この動脈硬化と深く関係しているのが 『メタボリック・シンドローム (内臓脂肪症候群)』 通称メタボなのです。
メタボとは、内臓に脂肪がたまり、高血圧や高血糖、高脂血症などの症状が一度に複数でることを指す新しい考え方です。
『メタボリック 』 は 『代謝 』 の意味で、代謝異常が起きていることを示すそうです。
厚生労働省の全国調査では、40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人が、その予備軍だったとのこと。
メタボリック・シンドロームは心筋梗塞(こうそく)や脳卒中など、死に直結しやすい生活習慣病の引き金になると言われています。
たとえ病気でなくとも、症状がなくても、また病気の程度が軽くても放置しておくと将来、頭や心臓の血管の病気を起こす確率は、メタボリック症候群でない人と比べて2~3倍高くなります。
内臓のまわりに脂肪がたまる内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)に陥ると、動脈硬化や糖尿病だけでなく、胃ガンのリスクも高まることが研究されているみたいです。
ちなみに、診断基準として、ウエストが男性85cm以上、女性90cm以上の方が対象となるみたいです。
いかがでしょうか、
あなたは大丈夫ですか?
成人病...の問題から健康食品への注目へ
成人病が問題になりだしたのは1980年代のなかごろのことですが、その背景となったのは、日本人の食生活の欧米化という変化でした。
東京オリンピックが開かれた1964年(昭和39年)前後から私たちの食生活は大きく変わったと言われています。
食生活の欧米化が進み、それまであまり食べなかった牛肉やチーズ、バターなどが多く摂られるようになりました。
マクドナルドのファーストフードや、ファミリーレストランも普及し始めました。
さらにバブル期にはグルメブームが巻き起こって、「飽食の時代」とまでいわれるようになりました。
この食生活の変化が成人病の大きな要因となっていることは否定できないところです。
成人病というのは、歳をとることによって多発しやすい病気の総称ですが、ガン、脳卒中、心筋梗塞など動脈硬化に関連するもの、その他に大別され、そのなかでも死亡率の上位を占めるガン、心臓病、脳卒中を三大成人病と呼んでいます。
高齢化が進み、食生活を含めた生活環境の変化によって、成人病は今後も増加すると予想されています。しかも、その成人病が若者にも急速に増えていることが問題を深刻にさせています。
こうした成人病の増加を直接的なきっかけとし、さらには余暇生活の充実、あるいは「より健康で文化的な生活をしたい」という基本的な願い、一方で環境破壊などといった生活環境の変化のなかで健康指向はいっそう高まりました。
そのなかで健康食品も次第に注目されるようになってきました。
化学薬品(ステロイド剤、抗生物質、抗がん剤など)の副作用をはじめとする弊害が問題視されてきたことも、健康食品に期待が高まってきたことの背景にあるようです。
基礎代謝を高める成分
・「たんぱく質」をきちんととって筋肉づくり
間違ったダイエットでは野菜ばかり食べたりしがちですが、太りにくいカラダをつくるためには、筋肉のもととなるタンパク質をきちんととることが肝心です。
一時はやった「アミノ酸ダイエット」も、アミノ酸はタンパク質を構成する成分ですから、タンパク質をとってエネルギーを燃焼しやすいカラダを作るという考え方です。特にアミノ酸の中には、「脂肪燃焼アミノ酸」とよばれるリジン・アルギニン・アラニン・プロリンが、脂肪燃焼酵素リパーゼを活性化させる、また効率よく脂肪を燃焼させるカルニチンなどが含まれています。
毎日の食事で良質のタンパク質をとることは大切ですが、動物性の高たんぱく食品には脂肪が多く含まれているものも多く、とくに肉は脂肪が多くカロリーも高いので、注意が必要です。お肉なら赤身の多いものを選び、蒸す・煮る、網焼きなど、油を加えない調理法でいただくようにしましょう。
植物性の大豆や、豆腐・納豆・おからなどの大豆加工品は、良質なタンパク質である上に低カロリー。しかも女性にうれしい効用のあるイソフラボンなどが含まれているので、積極的に食べたい食品です。
・糖質を効率よく燃焼させる「クエン酸」
人間のカラダの仕組みの中には、物質代謝の機能があり、たんぱく質・炭水化物・脂質が燃えてエネルギーになります。これがクエン酸サイクルで、クエン酸を摂取して、サイクルが活発になると糖質や体脂肪効率よく燃焼させるようになり、肥満 を防止すると言われています。
お酢やもろみ酢などが健康やダイエットに役立つと言われるのは、このためです。他にも柑橘系の果物などにもクエン酸は豊富なので、上手に取り入れましょう。
・代謝促進に欠かせない「ビタミンB群」「マグネシウム」
3大栄養素であるたんぱく質、炭水化物、脂質の代謝に欠かせません。ビタミンB1は、糖質の代謝に、ビタミンB2は糖質と脂肪の代謝に、ビタミンB6はタンパク質の代謝に欠かせません。これらのビタミンB群は、玄米や豆類、豚肉、レバー類、ウナギ、カツオ、マグロなどに含まれています。
またマグネシウムは、糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わっています。雑穀や豆類、乾燥わかめ、干しえび、ナッツ類などに豊富に含まれています。マグネシウムは、欧米型の食事が定着してから、日本人に不足がちになったと言われていますので、日本の伝統食などを見直してみてください。
他にもナイアシン、パントテン酸、ビオチンなどの水溶性ビタミンも、糖質やタンパク質、脂質の代謝に関わっています。何かこれさえ食べれば、代謝があがるということではなく、幅広い食べ物から様々な栄養素や成分を摂取する事が大切だということです。
今話題のサプリメント、α-リポ酸は代謝を高めて中年太りなどに効果があることで話題ですが、あくまでも栄養補助食品ですから効果は個人差があるでしょうし、アミノ酸同様に、摂取さえすれば、すなわち「やせる」ことにはなりません。利用される場合は、きちんとした食生活と運動などを行う上でのプラスαと考えてください。
プロポリスにはミネラル類も豊富
人間の身体の体重の94~95%は、酸素、炭素、窒素、水素の四元素からできている有機物です。残りの5~6%がミネラルと呼ばれる微量元素になります。
身体のなかではエネルギーづくりや皮膚、臓器の新陳代謝など、多くの化学反応が酵素によって繰り広げられていますが、ミネラルはこの酵素にかかせないものです。不足するといろいろな化学反応が正常におこなわれなくなり、身体の機能の維持や調節に狂いが生じ、いろいろな生活習慣病を引き起こす原因になります。
熟成プロポリスには、 カルシウム、 リン、 イオウ、 カリウム、 ナトリウム、 塩素、 マグネシウム、 鉄、 亜鉛、 銅、 マンガン、 クロム、 セレン、 ケイ素、 ニッケル、 リチウム といった、人間に必要な多種多様なミネラルがバランス良く含まれています。
いまの食品には、大量の食品添加物や防腐剤が使われています。さらに、いろいろなルートで有害な物質も体内に入ってきています。ミネラルには、酵素と共同で体内の化学反応を促進するほか、それら有害物質を体外に排泄する働きがあります。
現代人の食生活には、ミネラルが不足しています。ミネラル欠乏からいろいろな身体の不調が生じ、酵素との連携もうまくいかなくなります。
毎日の食事からミネラルが十分に摂れないとなると、他の方法でミネラル摂取を考える必要があります。そのとき、これら多種にわたるミネラルを含む熟成プロポリスが役に立ちます。熟成プロポリスを日常的に摂れば、必要なミネラルが簡単に摂取でき、健康で病気に負けない強いからだづくりを応援します。
野菜や果物に期待されるもの...
色彩鮮やかな野菜や果物は、ビタミンやミネラルが豊富で、体の調子を整える食品としての健康的なイメージが定着しています。
キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科野菜に多く含まれるイソチオシアネートは、体内で発がん物質を解毒する酵素の活性を高める作用があることが知られています。
ほうれん草など緑葉の野菜や果物に多く含まれる葉酸は、DNAの合成に欠かせない成分です。
にんにくやタマネギなどのアリウム野菜中のいくつかの成分には、抗酸化作用や発がん物質の生成抑制・解毒促進などの作用があることが知られています。
世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による「食事、栄養、身体活動とがん予防の世界評価」の2007年の改訂では、果物については、口腔・咽頭・喉頭、食道、胃、肺のがんに対して、また、野菜(穀類やいも類など、でんぷん質のものを除く)については、口腔・咽頭・喉頭、食道、胃のがんに対してリスクを下げる可能性大と評価されています。
さらにアリウム野菜(胃)、食物繊維(大腸)、にんにく(大腸)、葉酸(膵臓)、カロテノイド(口腔・咽頭・喉頭、肺)、β-カロテン(食道)、ビタミンC(食道)、リコピン(前立腺)についても、可能性大と判定しています。
多目的コホート研究では、野菜や果物が不足しているグループで胃がんリスクが高いことが示されました。とはいえ、多く食べれば食べるほど予防効果があるというような関係ではありませんでした。
日本人男性に多い食道の扁平上皮がんについては、野菜・果物の摂取量が、1日当たり100g多くなるごとに、11%ずつリスクが下がるというクリアな関係が見られました。この効果は喫煙・大量飲酒者ではさらに大きかったのですが、もともとたばこも吸わずお酒も飲まなければ、このタイプの食道がんになる人はあまりいませんので、やはり禁煙と節酒が先決です。
心と体の密接な関係
ウォルフという医師が、心の状態と体の機能が関係していることをはっきりさせたのは、胃の粘膜からだそうです。
ある少年がお母さんの作った熱いスープをいきなり飲んでしまい、食道が焼けて詰まってしまいました。
口から食べ物が入らないので、お腹に穴を開け、咀嚼(そしゃく)した食べ物をそこから入れていました。すると、胃の中が見えるわけです。
少年の気分がいい時には、胃の粘膜は健康なピンク色をしています。
彼が怒ると、今度は血がじわじわと粘膜ににじみ出てくるのです。
そうかと思うと、失望して うつの状態になったときは、血液が通わなくなって真っ青になってくる。
このように、心と肉体がつながっているということを はっきりさせた臨床報告もあるそうです。
精神や気力というものは、ストレス緩和や免疫に大きく関係してきます。気力が充実していれば、免疫力も高まるというわけです。
プロポリスは人体に必要な、すべてのアミノ酸をもっています!
私たちの体を形成している最も中心となる物質はタンパク質ですが、そのタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。
アミノ酸自体は、現在、300種類ほどが見つかっていて、そのなかで人体中のタンパク質を構成しているものは、わずか20種類に過ぎません。この20種類のアミノ酸が人体の基本になるのです。
このアミノ酸には、人間が体内で作れないものと、作れるものとがあります。体内で作れないものは、食物の形で摂取しなければならないので 『必須アミノ酸』 といい、体内で作れるものを 『非必須アミノ酸』 といっています。
必須アミノ酸には、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンの9種類があり、それぞれの働きをしています。
プロポリスには、これら9種類の必須アミノ酸はもちろん、非必須アミノ酸をも含む、人間に必要な20種類のアミノ酸すべてをもっているという、驚きの事実があるのです。
まるで、人間のために存在するかのようにも思えてきませんか。
それだけプロポリスは、人間にとっても有益な存在だといえるでしょう。
このようにプロポリスは、私たちの健康を維持・増進する上で、理想的な栄養バランスをもったものだと考えられます。
あなたにプロポリスの素晴らしさが伝わったでしょうか ![]()
腹筋......きたえていますか?
健康のための運動......やってますか?
腹筋は身体の中でも大きな筋肉の1つであり、人間の基本的な行動に
密接に関わってくる筋肉です。
腹筋をきたえる事によって筋肉がついてくると、疲労の感じやすさにも
大きな変化があることや、見た目などにも大きな影響があります。
おなかがポッコリでてしまっている人と引き締まった腹筋をしている人だと
どっちが見栄えが良いかは言うまでもありませんし、なにより自分自身の身体に
自信を与えてくれますよね。
また腹筋が弱い人には腰痛持ちの人も多く見られます。
これは筋肉が周りの重さに耐え切れなくなってきたため、腰などに負担が
かかってしまう為といわれており、そういう意味でも腹筋を鍛える必要性は
他の筋肉と比べても非常に高いといえるのではないでしょうか。
腹筋に関わらず筋肉トレーニングのコツはゆっくりと動かしながら行う事です。
これによって筋肉を持続的に鍛えることができますし、早く動かすのは
ケガのもとにもなってしまいます。
腹筋の場合は上体をおろすときに背中や肩を
つけないように行うと良いでしょう。
無理のない範囲で継続することが大切ですね。
また腹筋トレーニングの際にどうしても避けて通れないもの、
それがダイエットです。
そもそもおなかの筋肉というのは割れているものだそうです。
それが何故割れていないのかというと筋肉の上に贅肉(ぜいにく)が
乗ってしまっているからなのです。
腹筋をきたえるという事、それは腹筋の上にのっている贅肉(ぜいにく)を落とす
という事と直結しているといっても過言ではないでしょう。
腸を元気にしよう!
アレルギー(花粉症やアトピー)と腸について考えてみました。
通常、腸の中には約100兆個、重さにして1kg以上にもなる微生物が生息しています。
アレルギーは、アレルゲンたんぱく質とのアレルギー反応により引き起こされますが、アレルギー反応の起こり易さには、人それぞれの免疫バランスが関与しています。
最近の研究でこの免疫バランスに、腸内細菌のバランス(善玉菌と悪玉菌のバランス)が影響しているということが分かってきました。
事実、ある種の乳酸菌が、アレルギーの発症を抑えるように免疫のバランスを調節することが報告されています。
又、アトピー性皮膚炎の患者さんの腸内からは、健康な人では見つかりにくいカンジダ菌という酵母の一種が検出されることが多く、腸内細菌のバランスの乱れもアレルギー発症の原因である可能性が言われています。
腸内細菌のバランスは食生活やストレスによって大きく影響されます。ぜひ、食生活などのライフスタイルを見直していただき、きれいで元気な腸でアレルギーに負けない体を作ってください。
『 わかめ 』 を食べましょう
わかめの栄養・効果
わかめは、体内の代謝を活発にするヨウ素が豊富に含まれています。ヨウ素は精神を安定させて、心身を元気にする効果があります。
さらに、カルシウムが含まれているので、骨を丈夫にします。
また、カリウムは、血圧降下作用があるといわれています。血液をきれいにするミネラルも豊富に含んでいるのは、有名ですね。
わかめの特有のぬめりは、食物繊維のアルギン酸というものです。
胃の中に入って胃酸の作用でカリウムを放出する働きがあります。その後、アルギン酸は、小腸でナトリウムと結合して余分なナトリウムを排出してくれ、高血圧を防いでくれる働きをします。
さらに、腸内にある余分なコレステロールを対外に放出させて、高脂血症や動脈硬化を防いでくれる働きがあります。
このアルギン酸のぬめりは、胃から小腸への食べ物の移動を遅くして、急激な血糖値上昇を防いでくれる役割りがあります。
わかめの食べ方
わかめに含まれるヨウ素は、油と一緒に摂取すると吸収率が上がりますから、味噌汁や酢の物などにするときは、ごま油を数滴たらすと、風味が増して、薬効も増すと言われています。
また、酢と組み合わせることによって、血圧やコレステロールを下げる効果を期待でき、食べやすくなります。
わかめの調理
塩蔵わかめは、調理の前に塩抜きをしてください。出して、すぐに水洗いし5分ほど水に浸します。続いて、流水で洗って熱湯に通し、冷水にとります。
注意点として、加熱しすぎると栄養が損なわれてしまいます。
わかめの保存
塩蔵わかめは、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。
干しわかめは、乾燥剤を入れた密閉容器で保存するといいですよ。
わかめの選び方
乾燥わかめは、黒褐色でツヤがあるものや、厚みがあって弾力があるものを選ぶようにしましょう。
生わかめは、緑色が濃く、ツヤがあって、厚みと弾力があるものを選ぶと良いですね。古くなると黒っぽくなるので、注意しましょう。
心と健康の関係
心と健康な体との関係は?
健全な身体に健康な心が宿るのでしょうか?
それとも健全な心が健康な身体を築くのでしょうか?
心と身体は別々のようで実は健康面においても、心と健康が密接な相関関係にあることが科学的にも解明され始めてきました。そんな心と健康の関係は・・・
病は気からと言われるように、思いひとつで病気になることも、それを避けることもできます。
心が健康に及ぼす影響は計り知れないものがあります。
ところが心も健康であったはずが、一旦悪くなった肉体、特に臓器が自己治癒力だけでは回復できないほどに働きが悪くなっていたり、治癒力そのものが低下してしまうと、今度は健康な心(精神)が肉体(健康)の奴隷になってしまいます。心が健康ではなくなってしまうのです。
心と健康の関係について、興味深い言葉をみつけました。
いくら話をしてみたところで「胃」(健康)が悪い人は、「意」(心)が悪い聞き方/捉え方をしてしまいます。
肝臓の悪い人は、肝臓の悪い状態の肉体が操作する思考パターンでモノを考えるようになってしまう。心も健康を害する訳です。胃が悪ければ捉え方がネガティブになり、肝臓が悪ければ落ち着きなく、特に、自己を振り返ったり、深いところで自己を見つめ直すという
反省をすることができなくなるようです。
肉体と心の健康は相関関係にあります。
また、臓器の疲れ以外でも、腕の疲れにより首が張り、指の使い過ぎでも首が張る。ストレスでも目の疲れでも、首が張ってくる。
すると心と健康のバランスが崩れて、感情をコントロール出来なくなってきます。
最近の「キレる少年」など、凶悪犯罪を犯す若者たちは、
心の健康度と食生活の偏りとともにこうした身体的緊張が原因の一つであると言われ始めています。こういった、肉体(健康)が精神(心)に及ぼす影響について診ることを、身体精神医学と呼んでいます。
「健全な身体に健全な心が養われる」と言われるように
身体と心の健康は相関関係にあるのですが、精神が、悪くなった肉体に支配されているうちは、
いくら思いを改め、心を健康にしようと努力してもなかなか支配から抜け出せないようです。
「メンタルヘルス」「心のケア」
「心療内科」「精神医学」
「自己啓発」「心理学」
「ストレスマネジメント」「メディアセラピー」
ストレス社会と言われて久しいですが、自分の心とからだのバランスを保って
「心身共に健康」な毎日をめざしましょう。
『 血圧が高い人 』 の食事
《基本的な事柄》
健康診断などで、「血圧が高い」と言われたことはありませんか。高血圧を指摘されてもすぐに日常生活に支障を来すわけではありませんが、放置しておくのは危険です。血圧の高い状態が持続すると心臓への負担が増し、さらに動脈硬化も促進されます。このように高血圧は、ほかのいろいろな生活習慣病の誘因になるので、放置せずに正しく治療(管理)することが大切です。
治療の方法としては、薬物療法も一つの手段ですが、まずは食生活の改善が重要です。現在考えられている食事と高血圧の関連をいくつか挙げてみますと、
1)食塩を過剰に摂取すると、体内にナトリウムと水が貯まり、血液の量が増加します。その結果、心臓への負担が増加し、血圧が上がると考えられています。
2)食べ過ぎや、運動不足などから引き起こされる肥満も、高血圧の原因になっています。
3)お酒の飲み過ぎも血圧を上げる原因になります。
4)カリウムを十分摂取すると尿へのナトリウムの排泄が促進され、降圧効果があるといわれています。
以上のように、食事は高血圧と密接な関係にあり、治療に当たっては、食塩を控えバランスの良い食事を心掛け、肥満しないよう適度の運動を行うことが基本になります。
《食生活のポイント》
1.食塩は極力控えましょう
まず、こんなことから実行してみてはどうでしょうか。
①汁物は 1日 1杯までにする(具だくさんで汁を少なく)
②漬け物、つくだ煮類を控える。
③めん類のつゆは全部飲まないで残す
④ハム、魚の干物、かまぼこ、ちくわなど塩分を含む肉や魚の加工品は控える。
⑤しょうゆやソ-スはかけるよりも、小皿に入れて付けて食べる。
⑥薄味のもの足りなさを補う工夫をする。
a.しょうが、にんにく、わさび、みょうがなどの香味野菜を利用する。
b.こしょう、からしなどの香辛料で味に変化を付ける。
c.酢やレモンなど酸味で補う。
d.かつお節、こんぶ、干ししいたけなどのだしのうま味を活用する。
2.肥満に注意しましょう
食べ過ぎと運動不足に気を付け肥満を予防しましょう。
3.お酒などのアルコ-ル飲料を控えましょう
ビ-ルなら大瓶 1本、日本酒なら 1合までとします。
4.カリウムを十分補給しましょう
野菜や海藻、いも、果物などに多く含まれています。これらの食品は不足しないよう十分に取りましょう。
食事は毎日のことですから、継続するのは大変かもしれません。しかし、これらの事柄は高血圧の治療に役立つだけでなく、糖尿病や心臓病などの生活習慣病を予防するうえで、だれもが気を付けたい事柄です。自分の体を守るのは自分であるということを忘れずに、日々の自己管理に努めましょう。
気にしてほしい食品添加物
●ソルビン酸、ソルビン酸K →亜硝酸塩といっしょに取ると発がん性物質に変わる。
例 :魚のこげた部分と魚の成分をいっしょに取るとガンが発生する。
●赤色104号、106号 →外国で認められていない赤い色。
例 :紅しょうがなど
●亜硝酸塩 →生後3ヶ月未満の乳児には適さない。他の添加物ととると発がん性物質に変わる。量をたくさん食べないこと。
例 :ハムやソーセージ
●サッカリン →過去に発がん性が疑われたが再び認可された甘みが砂糖の数十倍。糖質に代わるもの。量をたくさん取らないこと。
●リン酸塩 →鉄分の吸収を妨げたり骨の形成異常を起こす。
例 :ソーセージやかまぼこが弾力を持つ
●菓子パンの中には・・・
乳化剤→油脂を均一になめらかにする
イーストフード→イーストの発酵を助ける、早く発酵する
酸味料→クリームの風味を向上
PH調整剤→酸度を適切に保つ
香料→クリームに香り、化学合成のものがある
保存料、ソルビン酸→カビを防いで保存性を向上させる
などの添加物が含まれる。
・・・等があります。知識として知っておきたいですね。
「思春期の栄養バランス」について
★「思春期」の大切さ
「思春期」は、反抗期でもある。
そして体の成長が著しい大切な時期。
骨密度のピークは20歳なので親は20歳まで子供を孤食にしないこと。
なぜなら、まだ栄養のバランスを考えて食べることができないから。
★最近の子供の体の傾向
男の子は肥満傾向に。
女の子は、自分が太っていると思い込んでいる場合が増えている。
★BMI(Body Mass Index)
→体重を身長の2乗で割った数値
22が標準、25以上肥満、18.5以下がやせ
この頃、18.5以下の女子が増えている。これでは栄養失調で骨が軽石のように。不妊症、貧血、無気力などの原因に。
食べ過ぎ「過食」の場合は、家族や友人とのトラブル、勉強に関する悩みなど心的ストレスが原因となっていることも。思春期の肥満は、生活習慣病の原因につながるので要注意!
★思春期の食生活のポイント
①3度の食事を規則正しく摂る。特に朝食はきちんと!
②卵、赤身の肉、魚など質のよいたんぱく質を摂る。
③牛乳、小魚、海藻類などカルシウムを1日80g以上
④野菜は、1日最低450g (緑黄色野菜150、淡色野菜200、イモ類100g)
⑤鉄分や亜鉛を多く含む食品を取る。貧血予防のため。
思春期は「一生で一番栄養を取るべき時」です!!
糖尿病なりかけに「緑茶が効果」 1日7杯で血糖値改善
緑茶を1日に7杯分ほど飲むことで、糖尿病になりかかっている人たちの血糖値が改善することが、静岡県立大などの研究でわかった。健康な人で緑茶をよく飲んでいると糖尿病になりにくいという報告はあるが、高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告は珍しいという。
血糖値が高めで、糖尿病と診断される手前の「境界型」などに該当する会社員ら60人に協力してもらった。
緑茶に含まれる渋み成分のカテキンの摂取量を一定にするため、いったんいれたお茶を乾燥させるなどして実験用の粉末を作製。これを毎日、湯に溶かして飲むグループと、飲まないグループに無作為に分け、2カ月後の血糖値を比べた。
平均的な血糖値の変化を、「Hb(ヘモグロビン)A1c」という指標でみると、緑茶粉末を飲んだ人たちは当初の6.2%が、2カ月後に5.9%に下がった。飲まなかった人たちは変わらなかった。飲まなかった人たちに改めて飲んでもらうと、同じように2カ月間で6.1%から5.9%に下がった。
一般にHbA1cが6.1%以上だと糖尿病の疑いがあるとされ、6.5%以上だと糖尿病と即断される。逆に患者の血糖値を5.8%未満に維持できれば優れた管理とされる。今回の成果は、糖尿病一歩手前の人が緑茶をたくさん飲むことで、糖尿病にならずに済んだり、発症を遅らせたりできる可能性を示した。
2グループで体格や摂取エネルギーなどに差はなく、緑茶からのカテキン摂取量が血糖値に影響したらしい。1日分の緑茶粉末は一般的な濃さの緑茶で湯飲み(約100ミリリットル)約5杯分のカテキンを含み、緑茶粉末を飲んだ人では普通に飲んだ緑茶と合わせ1日に約7杯分のカテキンをとっていた。
研究の中心で、今春に静岡県立大から移った吹野洋子・常磐大教授(公衆栄養学)は「運動などの生活習慣改善とともに、食事の中で積極的に緑茶を取り入れてほしい」といっている。(田村建二)
(朝日新聞 2008年10月4日)
『 国民健康・栄養調査 』 の結果から
5月に厚生労働省から「国民健康・栄養調査」の結果が発表されています。
「糖尿病」の疑いのある人は1870万人。
うち、糖尿病が強く疑われる人が820万人。
可能性を否定できない人が1050万人。合わせて1870万人。
4年前の前回調査と比べ、250万人も上回り、増え続ける傾向にあります。
「高血圧症」は
すでに症状が出ている人と、高血圧が疑われる人を合わせると5490万人。
「メタボリックシンドローム」は
40代以上、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、疑われる人 また その予備軍。
夕食を午後9時以降に食べる人の割合が増えて、
特に20代~40代の男性は30%を超えています。
また、40代の男性では 夜11時以降に夕食を食べる人というのが7%以上。
不規則な食生活と運動不足が、これらの生活習慣病をますます増やしています。
「日本人の死因の6割以上は、生活習慣病」。
このことを忘れないでいただきたいと思います。
食中毒をふせぐ食べ方
食中毒の発生は、6月~9月に集中しています。
しかし、油断は禁物です。
発生件数1位が、カンピロバクターウイルスによるもの。
生の鶏肉などによる中毒が多く、75℃で2分以上焼くことにより死滅できます。
2位が、サルモネラ菌。ネズミが保有しています。
3位、腸炎ビブリオ菌。海水に含まれるため、真水で洗うことで除去できます。
食中毒の予防は、よく火を通すこと(75度以上)、料理前に手を洗う、
まな板・調理器具を良く洗う、食材を良く洗う、
そして食材の温度管理に気をつけることが肝心です。
最近は、寄生虫からの感染も増えています。
豚肉のサナダ虫、海の魚につくアニサキス、
有機野菜に寄生虫の卵がついていることもあります。
安心・安全・健康になれる食べ方を知ることも、大切ですね。
子どもの健康管理は、親の仕事
「子どもの体がおかしい!」
肥満とヤセの急増、骨粗しょう症、低体温、低血糖、食物アレルギー、アトピーなど
子どもたちの体がおかしい。
肥満→ 30年前の3倍。小学生から肥満や糖尿病、メタボリックシンドロームに。男の子が多い。
ヤセ→ スタイルを気にする女の子。
いずれも、バランスの良い食生活を。
親は「バランス良くとりなさい」と子どもの目の前で確かめることが大切。
二十歳までは親の責任。なぜなら骨密度のピークが二十歳だから。
低体温→ 朝ごはんを食べないなどが原因。
低血糖→ ジュースやコーラの取りすぎ。キレやすい子どもに。
これらの原因は、食生活のみだれから。
子どもの健康管理は、親の仕事。正しい食育で子供たちを健康にしてあげましょう。
緩和ケアにマッサージ
がんの末期にリンパ節に転移が広がってリンパ浮腫になることがある。終末期のがん患者が安らかに日々を過ごす緩和ケアの中でもリンパ浮腫の治療が注目されている。
青森県上北郡の女性(79)は今年2月、二男(当時47)を肝臓がんで亡くした。昨秋にがんがわかった時はすでに周囲に広がっていた。年末、がんの激しい痛みが突然襲った。「苦しい、苦しい。この苦しみをどうにか取り除いてくれ」。通院していた十和田市立中央病院に駆け込み、入院することになった。
仕事と育児で手が離せない二男の妻に代わり、泊まり込みで看病した。痛みは薬で治まったが、がんが腹膜や骨盤内のリンパ節にも広がり、両足がむくんできた。病院のリンパ浮腫外来の看護師、石川美帆子さんからむくみを減らすマッサージを習った。
足の先から腰まで、リンパ液を戻すように優しくなで上げる。30分ほどすると張っていた足が柔らかくなった。「何もしてやれないから、これで楽になるんだば、いいと思って」と毎日、汗をかきながら息子にマッサージを続けた。
二男は次第に食が細くなり、眠る時間が長くなった。そっと見守っていたある日、突然、目を開けて、「ばあさん、今日はもみもみしないね」とつぶやいた。その言葉は今も心に残る。「話すことも少なくなっていきましたが、息子も楽しみにしていたんだなと思いました」
この病院のリンパ浮腫外来は、2006年に始まった。その前年、緩和ケアが専門の蘆野(あしの)吉和さんが院長に着任し、職員向けに講師を招いて開いた「緩和ケアセミナー」にリンパ浮腫治療の講義があった。感銘を受けた石川さんら看護師3人と作業療法士1人が、自発的に東京や青森市で研修を受け、設立した。研修費は病院が出してくれたが、交通費や滞在費は貯金をはたいた。
外来は、たちまちリンパ浮腫患者の予約でいっぱいになった。今年中には1週間程度入院して集中的に治療するコースも始める計画だ。一方、末期がん患者の場合は、主に家族に治療法を伝授する。「触れ合う時間を共有することで家族の心の支援にもなるように思います」と作業療法士の新谷(あらや)亨さん。
蘆野さんは「マッサージを受けることで非常に安楽な状態で毎日を過ごせる人もいる。緩和ケアの中でもリンパ浮腫治療は重要な要素の一つ」と話す。
(2008年9月18日 読売新聞)
医師の判断ミス否定
「帝王切開死」無罪判決
赤ちゃんを出産する時の手術ミスで母親を死なせたとして逮捕(たいほ)された医師(いし)の裁判(さいばん)が、今月20日に福島(ふくしま)地方裁判所で開かれ、無罪の判決が言い渡されました。医療事故(いりょうじこ)の原因をどう突き止めるのか、その責任はどう取るべきか、などを巡って大きな注目を集めた裁判でした。
1万件に2、3例
医師が逮捕されたのは2006年2月。逮捕の理由は、福島県立大野(おおの)病院で04年12月に行われた手術の際、あってはならないミスによって母親(当時29歳)を死なせてしまったというものでした。
この手術は「帝王切開(ていおうせっかい)」と呼ばれるもので、様々な理由から赤ちゃんが自然に生まれてくるのが難しい時に、広く行われています。
ところが、実際に手術を始めてみると、赤ちゃんが育つ子宮(しきゅう)と、赤ちゃんに栄養を送る胎盤(たいばん)がくっついていることが分かりました。これは、とても珍しいケースで、1万件の出産に2、3例しかないといわれています。医師は胎盤をはがす作業を試みましたが、出血が多く、母親は亡くなってしまいました。赤ちゃんは無事でした。
裁判では、「命を助けるためには、胎盤をはがすのではなく、別の対応を取る義務(ぎむ)があったから有罪」という主張と、「医師の判断は、医学的に常識であり無罪」という主張が対立しましたが、1年半に及ぶ裁判の結果、無罪が言い渡されました。
逮捕に医学会反発
医師が逮捕された時、日本の医学界からは大きな反発が起きました。産科医(さんかい)などでつくる日本産科婦人科学会(にほんさんかふじんかがっかい)は「今回のケースは手術前の診断(しんだん)で異状(いじょう)を見つけるのは難しかった」「精いっぱい正しい対応をとったとしても、命を救えないことはある」という意見を発表しました。
この意見を出した背景には、「患者(かんじゃ)が死亡したら逮捕される」ということになると、産科医になろうという人が減るのではないかとの懸念(けねん)がありました。
今も、産科医不足は地方に行くほど深刻(しんこく)で、24時間勤務など厳しい状況で働いている医師は珍しくありません。このままでは、日本は安心して子供を産めない国になってしまうという危機感(ききかん)がありました。
一方では、手術や診察(しんさつ)の時に起きたミスについて、病院や医師は説明するどころか隠そうとしているのではないか、という不信感(ふしんかん)が国民の間に広がっているのも確かです。過去には、カルテを書き換(か)えてミスを隠そうとしていた事例もありました。
中立的な機関必要
警察に頼らないと、医療ミスの真相(しんそう)はわからずじまいになりやすい――。今回の裁判は、そんな日本の状況が背景にあったといえます。法律関係者からは「逮捕までする必要はなかった」という声も聞かれます。
厚生労働省(こうせいろうどうしょう)は、医療の専門家(せんもんか)だけでなく様々な立場の人たちが集まる中立的な機関(きかん)を作って、手術中に起きた事故などについて調べてもらう仕組みを検討(けんとう)しています。原因をしっかり特定することは、医師や病院に対する不信をなくすことにもつながります。実施(じっし)を急ぐべきでしょう。
(2008年9月2日 読売新聞)
カルシウム+ビタミンD、大腸がんのリスク低減
カルシウムとビタミンDをともに多く摂取すると、大腸がんにかかるリスクを下げる可能性があることが、九州大などの調査でわかった。近く米国のがん予防専門誌で報告する。
古野純典・九大教授らのグループが、福岡市とその近郊に住み、大腸がんと診断された836人と、同じ年代で大腸がんではない861人から食事や生活習慣を詳しくたずね、関連を調べた。
1日あたりのカルシウム摂取量が平均約700ミリグラムと最多の人たちが大腸がんになるリスクは、同400ミリグラムで最も少ない人たちと比べ、3割ほど低かった。しかし、カルシウムを多くとっても、ビタミンDをあまりとらない人では、違いははっきりしなかった。
そこで、カルシウムを平均約700ミリグラムとり、かつビタミンDを多くとる人(1日10マイクログラムかそれ以上)で比べると、大腸がんリスクは、カルシウム摂取が少なくビタミンDをあまりとらない人より、6割低かった。
ビタミンDはサンマやサケといった魚類やキノコ類に多い。日本人のカルシウム摂取量は1日あたり平均540ミリグラム余で不足ぎみ。ビタミンDは8マイクログラムほど。大腸がんは肥満や飲酒でリスクが高まることがわかっている。
牛乳を飲んでカルシウムを多くとると、大腸がんリスクが2割ほど下がることは、欧米グループが報告している。今回の結果をまとめた溝上哲也・国立国際医療センター部長(前・九大助教授)は「ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、大腸がんの予防効果を高めるのかも知れない。さらに効果を調べたい」と話す。(田村建二)
(朝日新聞 2008年9月22日)
禁煙条例 日本全国で取り組みたい
神奈川県は禁煙条例の骨子案を発表した。たばこは喫煙者だけではなく、吸わない周囲の人の健康も害する。骨子案は不特定多数の人が利用する施設でこの受動喫煙を防ぐのが目的だ。制定されれば、全国初の「受動喫煙防止条例」となる。
路上禁煙は広がってきたが、これだけでは受動喫煙の被害は防げない。全国の自治体でも取り組むべき課題である。今後、骨子案を議会に示すとともに公募中の県民の意見も参考に条例案を作成し、年度内成立を目指している。
当初は施設内の全面禁煙を基本方針にしていた。県医師会などは支持したが、一部の業界から「売り上げに影響する」と強い反発の声が上がり、骨子案では例外を認めた。このため「骨抜きだ」との批判も出ている。
これに対し、松沢成文知事は「県民の間で受動喫煙についての理解が進んでいないなか現実的で、受動喫煙防止を一歩進められる」と説明している。
全面禁煙をどこまで拡大するかは、今後の課題だ。条例を施行した後も、県民の意見を聞きながら検討を進めてほしい。他の自治体の参考にもなるだろう。
骨子案によると、すでに喫煙規制が進んでいる学校や病院、官公庁、金融機関、百貨店、劇場、博物館などを第1種施設として全面禁煙を義務付け、レストラン、ホテル、ゲームセンターなどは第2種施設として禁煙か分煙を施設側が選択できる。
この第2種施設のうち、たばこを吸う客の多いキャバレー、パチンコ店、マージャン店などは、条例の施行後3年の猶予期間を経てから禁煙か分煙にすることを義務付けた。
こうした対策を徹底するため、(1)施設の入り口に禁煙か分煙を表示する(2)分煙にした際に喫煙スペースへの未成年者の立ち入りを禁止する(3)違反者には罰則として過料を科す-が定められている。
喫煙率は平成18年の厚生労働省の調査で23・8%と減少してきているものの、1年間に11万4000人が、喫煙が原因とみられる疾病(心臓病、脳血管障害、呼吸器疾患、がん)で死亡している。
15年に健康増進法が施行され、17年にはたばこ規制枠組み条約が発効した。ともに受動喫煙対策を求めている。たばこの被害をなくすために、たゆまない努力が必要である。
(産経新聞 2008年9月21日)
「ちょい悪」血圧、ご用心 脳卒中などの危険が倍に
「まだ大丈夫」と軽く考えがちだった、ちょっとだけ高い血圧が、実は健康な血圧の人に比べて、倍以上も脳卒中や心筋梗塞(しんきんこうそく)を起こす危険が高いことがわかった。都市住民約5500人を17年間追跡して調べた。「ちょい悪」血圧の意外に大きな悪影響に、専門家は「油断は禁物」と警告する。17日に米心臓協会の学術誌「ハイパーテンション」電子版に掲載された。
大阪府吹田市にある国立循環器病センターと同市の医師会などが、89年に住民台帳から無作為に選んだ30~79歳の市民1万2200人の中から、それまで循環器の病気にかかったことがなく、研究に協力を希望した5494人を対象に05年末まで、血圧と脳卒中、心筋梗塞の発症の有無を調べた。
血圧は(1)至適(収縮期120/拡張期80未満)(2)正常(130/85未満)(3)正常高値(140/90未満)(4)軽度高血圧(160/100未満)(5)中~重症高血圧(それ以上)に分類した。05年までに脳卒中か心筋梗塞になった人の割合をみると(1)では2.3%にすぎなかったが、血圧が高くなるほど増え、(5)では16.5%だった。
研究チームはこのデータに基づき、(1)の人たちが脳卒中や心筋梗塞になる危険度を1として、血圧と発病の関係を計算した。男性では、正常とされる(2)でも危険度が2倍、(3)では2.5倍になっていた。女性では、男性ほど明らかな差はなく(2)で1.1倍、(3)でも1.5倍だった。ただ、男女とも(5)のグループでは3~4倍と極めて高かった。
男女差について、研究チームは女性ホルモンによる血管保護効果に加え、男性では喫煙者が女性の4倍以上、酒を毎日2合以上飲む人が2倍以上いることが影響していると見ている。国立循環器病センター予防検診部の小久保喜弘医長は「ちょい悪程度の血圧でも、これほど悪影響を及ぼすとは意外でした。禁煙や節酒、肥満解消など、至適血圧に近づけるよう心がけてほしい」と話す。(編集委員・中村通子)
(朝日新聞 2008年9月19日)
「漁の敵」ナルトビエイにメタボ改善効果 佐賀大発見
有明海の高級二枚貝タイラギやアサリを食い荒らし、沿岸4県が駆除しているナルトビエイに、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を改善する成分が含まれていることが、佐賀大農学部の柳田晃良教授(食品栄養化学)の研究でわかった。ナルトビエイは、捕獲されてもこれまで多くが廃棄処分にされてきたが、柳田教授は「スープの食材やサプリメントに利用できる。漁師さんにも、肥満に悩む人にも朗報」と話している。
ナルトビエイは、大きいもので体重40キロ、体長1メートルを超える。元々はインド洋や東シナ海の熱帯・亜熱帯を中心に分布していたが、地球温暖化の影響で北上し、10年ほど前から有明海でも確認されるようになった。強力な歯で貝の殻を割って、肉を食べる。
有明海周辺の4県は、漁業に被害を与える「厄介者」としてナルトビエイを駆除している。佐賀県では、04年度から本格的に駆除に乗り出し、毎年100トン前後を捕獲。作業を請け負っている県有明海漁協によると、食品として販売できないか検討中だが、現在は、業者に頼んで廃棄処分や肥料にされている。
柳田教授は5年ほど前、県の水産機関の研究員からナルトビエイの食害について聞き、「何か有効利用できないか」と相談を受けた。ナルトビエイはたんぱく質が多く、成分にどのような機能があるか研究を始めた。その結果、脂肪肝やコレステロール濃度を改善する作用があることを発見したという。
たんぱく質は、消化されるとアミノ酸が連なるペプチドになる。肥満で糖尿病のモデルラットにナルトビエイのペプチドが含まれたエサを3週間与えてやる実験をしたところ、肝臓の脂肪とコレステロールの量が2割ほど減ることを確認。メタボリック症候群を予防、改善する作用があることが確認できたという。
今後、ほかの魚類のペプチドも実験するとともに、ペプチドのどのような成分が肥満の改善に効果があるのかさらに研究を進める。柳田教授によると、すでに大手製薬メーカーから商品化の問い合わせも来ており、佐賀大と県、吉野ケ里町内の企画会社と共同で特許も出願した。
柳田教授は「成分を特定できれば、薬の開発も期待できる。いままで廃棄処分されていた魚が、メタボリック症候群に悩む中年たちの希望になる可能性を秘めている」と研究に熱が入る。漁協の担当者も「漁師の副収入になればありがたい」と注目している。(吉村治彦)
(朝日新聞 2008年9月8日)
