乳がん検診の違い
日本で増加している乳がん死亡率は、欧米諸国ではかなり前から減少傾向にあります。米国や英国では、昭和60年ごろをピークに死亡率は減少に転向しています。マンモグラフィ検診が開始された少し後で、検診の効果が出始めた時期と一致します。米、英両国の受診率が7割以上に達しているのに対し、日本は約2割に留まっています。
受診率の低さばかりが注目されていますが、日本のがん検診には組織的な管理も必要だという意見もあります。大幅な死亡率の減少に成功した欧米諸国には、日本とはまったく違う「組織型検診」と呼ばれるシステムがあるといいます。
システムの柱は
(1)有効性の確立したがん検診のみ行う
(2)徹底的に精度管理されている
(3)対象者全員に通知が送られ、受けない場合には勧奨が繰り返される
の3つですが、日本は(1)も不十分なのが実情だそうです。
世界的に検診の有効性が証明されているのは乳がんと子宮がん、大腸がんの3つだけとされ、ほとんどの欧米諸国では、これらの検診に国を挙げて取り組んでいます。
有効性が実証されていない検診も含め、散漫に行って結果が出せないでいる日本に比べ、欧米諸国は死亡率を下げるという目標達成のため、合理的かつ集中的に検診を行っているのです。マンモグラフィ検診を徹底していない機関には罰則など法的な処置が取られる国があるほどだそうです。
体系的な受診勧告のシステムについては、約7割の乳がん検診受診率を誇る英国の例が分かりやすいでしょう。英国では3年に1回、各地域の「受診勧奨センター」を通じ、検診施設から対象者に乳がん検診の通知を出します。さらに「精度管理センター」が受診勧奨センターに定期的に立ち入り、精密検査が必要な対象者への再検査の要請などを調査します。満たしていない場合は指導するということです。
日本ではまだこのようなシステムはありません。意識の転換が必要ですね。
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