笑顔
子育てが忙しい時期には、動物映画はもちろんのこと、動物の生態を扱ったテレビの番組を視る余裕などないという方がほとんどかと思いますが、時には野生動物を撮影した番組をごらんになるのもよいのではないでしょうか。
といいますのも、動物は育児書などを参考にするわけでもないのに、なかなか上手に子育てしますし、「うちももう少し直接的に餌のとり方を教えた方がいいかしら」などと思う場面があったりして、心の中の「自然」に揺さぶりをかけられることがあるからです。
チンパンジーの行動を研究している研究者がチンパンジーの子育ての様子を撮影したDVDがありました。撮影されたチンパンジーは人間に飼われているチンパンジーではありますが、母親チンパンジーの子育てはとても大変そうです。
子どもは少し成長すると、探索し、冒険し、いろいろ試してみようとします。人間と同じように、チンパンジーの母親は遊んでいる子どもを見守ったり、危険なことをしたがる子どもを引っ張って連れ戻そうとしたりします。子どもの「危険」にはかなり敏感です。子どもチンパンジーは遊んでいるときや何かがうまくやれたとき、本当に嬉しそうな表情をみせます。飼育係に積み木を積む方法を教えてもらい、それがうまく積めて大喜びしている場面がありました。子どもは身体をゆすり、笑顔で大げさにはしゃいでいます。ところがカメラがこれを見つめる母親を映し出しますと、なんと母親はじっと座ったまま、全く無表情なのです。「子どもがあんなに喜んでいるのに、一緒に喜んでやらないの?」
「チンパンジーのおとなはめったなことでは笑わないんだ」と研究者は言います。でも人間の親は子どもが嬉しそうだと嬉しいし、子どもの笑顔をみると、どんなに疲れていても笑顔になってしまうものではないのでしょうか。親子で笑いあえるのは人間だけなのでしょうか。
「子どもの喜びをともに喜ぶ」「微笑みをかわす」ということは、ひょっとしたらものすごく「高等な」ことなのかもしれないと思いました。もっと笑顔で!(でもこれがなかなか難しいのです。)
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