思春期の子供に対して...


信頼して見守り、自立をサポートしましょう

心と身体の成長がアンバランスな思春期

子供が小学校高学年になると、「以前は学校のことをよく話してくれたのに、最近はあまり話をしてくれない」「仲良しだったお友だちと急に遊ばなくなって、訳を聞いても教えてくれない」「子どもの部屋が汚いので片付けたら、反抗的な態度をとるようになった」といったことが、よく聞かれます。これは、子供が"思春期"に入り、小学校低学年の頃とは変わってきていることのシグナルです。しかし、親は子供のこうした変化(成長)に気づかないことが多いようです。

思春期は、"子供から大人への過渡期"であり、心と身体の成長がアンバランスで、とても揺らいでいる時期です。そして、急激な身体の変化に戸惑いながら、精神的な不安と葛藤の中にいます。

友だちとの関係も変化していきます。低学年の頃は帰り道が一緒、席が近いなど身近であれば仲良くしますが、高学年になると自分と感性の合う、内面的に分かり合える友だちを求めるようになってきます。

また、親子の関係も、親が保護し、子供が依存するといった親と子の関係から、個々の人間同士の関係に発展していきます。そのことを親も自覚する必要があるでしょう。


思春期は親離れの第一歩です

小学校高学年の頃になると、子供たちは外の世界や周りを見て、いろいろなことの見方が変わったり、友だちや先生との関係が広がっていきます。友だちの親や家族はどうか、社会はどうかといったことにも目をむけるようになるのです。自分の親や家族のあり方などに疑問を抱き、さまざまな質問をしてきたり、自分の意見も述べるようになります。

親に対する見方もずいぶんと変わってきます。それまで絶対的な存在で、信頼しきっていた状態から、親を一人の人間として見るようになり、それとともに、「うるさいなぁ」「放っておいて」など、反抗的な言葉を使うようにもなってきます。

こうして思春期を迎えた子供たちは少しずつ親離れをしていきます。親に干渉されるのがうっとうしくなる反面、全く無視されても不安を感じます。そうして、親とくっついたり離れたりしながら成長していきます。


秘密を持ち始めるのも親離れのひとつ

福井県の丸岡町が主催した一筆啓上賞『日本一短い「母」への手紙』の受賞作品に、11歳の男の子の「お母さん、ぼくの机のひき出しの中にできた湖をのぞかないで下さい」という作品があります。この作品には、思春期の子供の心理が見事に描かれていると思います。

このくらいの年齢になると、好きな人ができたり、性に興味を抱くようになり、友だちには話せても親には話せないことや自分だけの秘密を持つようになります。『机の引き出しの中にできた湖をのぞかないで下さい』という文章は、そっと見守ってほしいといった思いがこめられているようにも思えます。

子供が秘密を持つのは、それだけ人間性を深め、深い心の持ちようを経験していくということです。その点からいうと、何でも親に見せて秘密を持たないので安心というわけではないのです。

最近、何でも言い合える「友だち親子」が増えているといわれますが、子供が秘密にしたがっていることについて、「何でも見せて」などと気軽に言わない方がよいかもしれません。親には親の、子供には子供の世界があり、世代の境界や育てる側・育てられる側という境界があります。そのけじめを崩してしまうと、親子の関係そのものが崩れてしまうこともあるのです。


子供の気持ちを受容しましょう

子供のことで知らないことがあったり、反抗されることは、親にとってはとてもさびしいし、不安なもの。でも、この時期、親も子供は子供の人生を歩んでいくのだという覚悟をしなければいけないのでしょうね。

もちろん、思春期でも、子供は嫌なことがあった時などは、やはり親に話したいと思っています。そんな時、頭ごなしに叱られたり、親の意見を押しつけられたりすると、子供の気持ちはどうでしょうか。まずは、子供がどんなことを言ってもできるだけ子供の気持ちや考えを尊重し、上手に聞いてあげる親であることが大切でしょう。

そして、理由もわからないまま不安になっている子供に対して、「どんな状態になっても、私は絶対にあなたを見捨てない、大事に守るよ」という姿勢をしっかりと親が示してあげてください。


子供が自分で責任をもてるようサポートしましょう

思春期とは自我が確立し始め、主体性が培われる時期でもあります。それまでは親が子供のいろいろなことを決めてきたかもしれません。しかし、この頃から親の方でも努めて「あなたが考えて選んでごらんなさい」というメッセージを伝えていくのがよいように思います。子供はどこかで親に嫌われたくない、と思っています。だから、「お父さんやお母さんが喜ぶだろうと思ってそう決めた」ということもあるかもしれません。そんな時でも「親と意見が違っても大丈夫」ということをしっかり伝えることは大切でしょう。

そして、親が介入しすぎることなく、いつも子供が「最終的には自分が考えて決めた」と思えるようにして支えてあげましょう。

「少しずつ、自分で責任を持って行動していこう」「親はいつも温かく支えてくれている」そのように思えることが、自立した大人になるためにはとても大切なことのようです。


子供の思春期は、親子ともども大きく成長するチャンスでもあります。この絶好の機会を前向きに受けとめ、子供の成長をゆったりと見守っていってほしいと思います。

 

 

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日時:2009年2月16日 09:24

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