子供を比較しないで!


子供は人格形成中
─比較されることで深く傷つきます─


子どもを他の子と比較しないように、とはよく言われることです。なぜ比較するといけないのでしょうか。

幼児から小学校入学の頃は人格の基礎が形成される途上にあります。「人格の形成」というのは、「あなたはこんな人ですね」という周りの言葉や行動を通して「自分はどういう人間か」ということを自分で理解していく一面も大切です。自分で自分のことがよくわかっていないこの時期は、子どもは不安がいっぱいの状態。「自分はどういう人か、自分の存在は認められているのか」を、何回も確かめずにはいられません。幼いときは親以外の人と接することがまだまだ少ないので、親の言葉が最大の、そして唯一の支えなのです。その時に、親から他の人と比較されて叱られたりすると、その不安が助長されてしまいます。人格の形成にも大きな影響を与えるのです。

この時期は特に、子どもに対する言葉や、逆に子どもたちからの言葉に深く注意を払っていくことが大事です。親自身は何気なく言ったことや後で忘れてしまっているようなことでも、子どもの心にはしっかり刻まれていることがあります。


比較して叱られると、子供は
「自分自身を否定された」と受け止めてしまいます


親の立場からすると、きょうだいやよその子どもたちとつい比べてしまいがちです。次の2つの叱り方を考えてみてください。

a 「外から帰ってきたら手を洗わないとダメでしょ」

b 「お兄ちゃんはちゃんと手を洗うのに、あなたはどうしてできないの」

どうでしょうか。比較しない時(a)は行動そのものがポイントになっています。比較した場合(b)は行動そのものよりも「お兄ちゃんはできるのに、あなたはできないダメな人」というメッセージが感じられませんか。

親はそんなつもりではなくても、子どもは比較のところしか受け止められず、自分自身を否定されたと思ってしまいます。「自分はこれでいいのだ」という自分への信頼を形成していく段階では、子どもたちが傷つくことになりかねません。親の言葉や行動のひとつひとつが子どもの気持ちに決定的な意味を与えてしまうことにもなるのです。


直接の比較でなくても、子供にとっては
比較されているのと同じ意味をもつことがあります


子どもはほめることが大事と言われるのも、親の影響力がとても大きいからです。ほめすぎると、図に乗ってしまうのではと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。一番大事な親から認められていると感じることで、安心して自分に自信を持つことができるのです。

ただし、ほめる時に気をつけないといけないことがあります。それは、きょうだいがいるときに、片方だけをほめることです。ついしてしまいがちなことですが、これも比較したことになります。ほめられなかった方にすれば、「じゃあ、僕はダメなの?」と感じるからです。「お兄ちゃん、上手だねえ」と言うと、弟が「僕は?僕は?」というご経験もおありだと思います。そんな時は「あなたはここがすごいね」としっかりほめてあげてください。

親が子どもを、自分自身と比較していることもあります。「私はこんな性格なのに、この子はそうではなくて...」「私が子どもの頃は、こんなことはできていた」などと言われる方がいらっしゃいます。これも、子どもにとってはありのままの自分を受け入れてもらえず、自分を否定された、と感じることにつながります。


子供のなにげない質問にも、実は深い意味があります

下の子が赤ちゃんだったり、よその赤ちゃんを見たりした時、「私が赤ちゃんの時どうだった?」など聞いてくることがあります。そんなときは、「この子と同じで可愛かったよ。○○ちゃん、本当に大きくなったね」「あの時はおしゃべりできなかったけど、今はよくしゃべれるようになったね。いっしょにお話できて、うれしいな」などとやさしく答えてあげてください。

こういった何気なく聞こえる会話でも、子どもとのいい関係をつくる絶好のチャンスです。こういう質問をするのも親から愛されたいという気持ちの現れであり、親が自分をどれだけ大事にしていたかを確認したいのです。その時、子どもの質問を流してしまうと、なかなか満足せずにくい下がります。

子どもを他人と比べるのではなく、小さかったときのことを思い出していろいろお話してあげましょう。「赤ちゃんのときからずっとあなたを見ている」ということ、そして「あなたが成長していることがうれしい」ということが伝えられれば、子どもたちは今の自分に満足することができ、とても安心します。

子どもが何かした時に「お母さん、見て、見て」と呼びかけてきます。これも、親の愛情を確認したいという気持ちのあらわれです。親としてはいつものことなので、他のことに手を取られていたりすると、つい上の空で返事をしたり、うるさがったりしてしまうことがあります。またか、と思っても、子どもが何か声をかけてくる時はできる限り聞いてあげてください。それが子どもとのよりよい関係づくりの基本と言えるかもしれません。


「ボクはボク!」「私は私!」と子供は心の中で
いつも主張しています


人格の基礎を形成する時期、子どもたちはみんな「ボクはボク!」であることを認めてほしいと思っています。なにより大切なのは「そのままのあなたを、周りのみんなが認めているのよ」といろいろな機会に伝えることです。子どもの人格形成において、親の役目は意識している以上に大きいものです。

 

 

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日時:2009年2月15日 08:48

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