頭頸(とうけい)部がん の場合


頭頸(とうけい)部がんの場合は、胃や食道も検査しておく必要があります。


――頭頸部がんとは。

脳の下の頭蓋(ずがい)底から鎖骨までの領域にできるがんの総称です。頻度は全がんの約5%で認知度が低く、耳鼻咽喉科で診る疾患だということも、あまり知られていません。

――症状は。

喉頭(こうとう)がんは声がれ、口腔(こうくう)がんは舌の腫れや痛みなど、具体的な症状を訴えて初期に見つかる場合もありますが、実際は首のリンパ節に転移した進行がんの段階で気付き、受診するケースがほとんど。初診時に鼻から細い内視鏡を入れて視診を行えば、診断できることが多いです。

――発がんの原因は。

口腔がんや咽頭(いんとう)がん、喉頭がんは、喫煙と過度の飲酒に起因します。第二、第三のがんを併発する「重複がん」となる頻度が高く、特に食道、胃がんとの合併率が約3割に上ることから、上部の消化管の内視鏡検査は必須です。

――治療法は。

手術と、放射線・化学療法です。根治を大前提に、いかに体の機能を残すかがポイント。患者の大半は機能温存を望みます。どちらの治療も長所、短所があります。切除範囲や部位によっては「話す」「のみこむ」などの動作に支障が出ますが、摘出手術で欠損した部分に、体の別の組織を利用し、血管を付けて再建する「遊離皮弁移植」もあります。

――喉頭全摘後の発声法獲得とは。

声を失った人のための「気管食道シャント法」です。気管と食道の間に小さな連絡路を作り、逆流防止弁付きのシリコン製チューブを挿入します。ここを通して肺から呼気を食道に送り込み、喉頭粘膜を振動させて声を出します。

――利点は。

げっぷをする要領で声を出す「食道発声法」に比べ、はっきりと長文を発音できます。獲得も容易で、「歌を歌えるようになった」と喜ぶ人もいるほど。シャント法ができれば、食道発声法も獲得しやすい傾向にあり、両方できるのが理想的です。

――最後に。

頭頸部がんは、治療によっては声を失い、外見が変わるなど、心身への負担が大きいです。患者の9割が中高年の男性ですが、近年、若い女性の喫煙が増えており、今後は女性の罹患(りかん)率が高まるでしょう。喫煙と過度の飲酒を控えるのが最大の予防だと肝に銘じて下さい。

 

 

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日時:2009年1月17日 13:38

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